減価償却とは何でしょうか?
今回は、減価償却の意味から計算方法までご説明したいと思います。
しかし減価償却もかなり奥が深いので、こちらも基礎の基礎と思って
読んでくださいね。
しかし減価償却もかなり奥が深いので、こちらも基礎の基礎と思って
読んでくださいね。
2007年(平成19)の税制改正で、減価償却の制度も大きく改定されており、
また、2012年4月1日より、定率法の償却率が変わりましたので、
そちらも併せてご紹介しますね。
また、2012年4月1日より、定率法の償却率が変わりましたので、
そちらも併せてご紹介しますね。
■減価償却とは
減価償却とは、設備などの投資を行った場合に、
その取得にかかった費用を資産(=減価償却資産)として計上し、
その効果が及ぶ期間(=耐用年数、資産の種類により異なります)にわたり
その費用(=減価償却費)を配分する会計処理のことです。
その取得にかかった費用を資産(=減価償却資産)として計上し、
その効果が及ぶ期間(=耐用年数、資産の種類により異なります)にわたり
その費用(=減価償却費)を配分する会計処理のことです。
建物や自動車、機械・設備等を購入した際に、一度に費用として計上すると
その期の業績が大幅に悪くなる一方で、その後はその固定資産に対する費用が
かからないので、利益が大きく出てしまいます。
その期の業績が大幅に悪くなる一方で、その後はその固定資産に対する費用が
かからないので、利益が大きく出てしまいます。
しかし、巨額の設備などは、一般的に何年にもわたって会社の売上に
貢献するものです。
貢献するものです。
したがって、使用が長期にわたるような固定資産は、一度に費用化せずに、
価値の減少分を毎年少しづつ費用化して、毎期の費用を平準化します。
こうすることで売上とそれを生み出すために使われた費用の対応を明確に
することができます。
価値の減少分を毎年少しづつ費用化して、毎期の費用を平準化します。
こうすることで売上とそれを生み出すために使われた費用の対応を明確に
することができます。
このような処理を減価償却といい、この処理によって生まれた費用を
減価償却費といいます。
減価償却費といいます。
■減価償却資産の耐用年数
個々の機械などの耐用年数を正確に見積もることが困難であるため、
税法では各種の減価償却資産を分類して耐用年数を定めています。
税法では各種の減価償却資産を分類して耐用年数を定めています。
こちらの表で、取得した資産の耐用年数を確認して、
「減価償却資産の償却率の表」(後程出てきます)より償却率を求め、
減価償却費を計算します。
▼減価償却資産の耐用年数表(国税庁)
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/30930/faq/30975/faq_31004.php
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/30930/faq/30975/faq_31004.php
※平成20年度税制改正において、減価償却資産の耐用年数等に関する省令
が改正され、機械及び装置を中心に法定耐用年数の見直しが行われました。
改正後の耐用年数は、「既存の減価償却資産を含め」、平成20年4月1日以後
開始する事業年度について適用となりました。
が改正され、機械及び装置を中心に法定耐用年数の見直しが行われました。
改正後の耐用年数は、「既存の減価償却資産を含め」、平成20年4月1日以後
開始する事業年度について適用となりました。
⇒既存分に関しても、改正後の耐用年数になり、それに対応した償却率で
減価償却していく必要があります。
途中から変わるのは正直気持ち悪いですねぇ。
減価償却していく必要があります。
途中から変わるのは正直気持ち悪いですねぇ。
※中古で取得した資産の耐用年数は、別途算出方法があります。
後日説明します。
後日説明します。
■仕訳の例
営業車(普通自動車)120万円を、現金で購入。
※普通自動車の法定耐用年数:6年、定額法で減価償却した場合
※普通自動車の法定耐用年数:6年、定額法で減価償却した場合
(1)取得時(仕訳)
車両運搬具 120万円 / 現金 120万円
※車両運搬具は、費用科目ではなく、資産科目です。
(2)決算時(仕訳)
減価償却費 20万円 / 車両運搬具(又は減価償却累計額) 20万円
※減価償却費は、費用科目です。
減価償却累計額(直接法、間接法)については、後日説明します。
減価償却累計額(直接法、間接法)については、後日説明します。
このように、毎年少しずつ費用に計上します。
■定額法と定率法
減価償却には毎年一定額を費用化する定額法と毎年一定率を費用化する
定率法があります。
定率法があります。
●定額法
毎年同じ"額"だけ減価償却します。毎年一定額が費用計上されます。
毎年同じ"額"だけ減価償却します。毎年一定額が費用計上されます。
(メリット・デメリット)
定額法は計算が簡単であるという長所がある一方、設備の収益力が衰えて、
修繕費が増加する後年に費用負担が多くなるという欠点があります。
定額法は計算が簡単であるという長所がある一方、設備の収益力が衰えて、
修繕費が増加する後年に費用負担が多くなるという欠点があります。
●定率法
毎年同じ"率"で減価償却します。償却費は初年度に高く、
年とともに低減します。
毎年同じ"率"で減価償却します。償却費は初年度に高く、
年とともに低減します。
(メリット・デメリット)
定率法は設備の収益力が高いときに、費用を多く計上できるという
長所がある反面、設備導入当初の費用負担が大きくなるという欠点があります。
定率法は設備の収益力が高いときに、費用を多く計上できるという
長所がある反面、設備導入当初の費用負担が大きくなるという欠点があります。
日本の企業では一般的に有形固定資産では定率法が使われる場合が多く、
無形固定資産では全て定額法が使われています。
無形固定資産では全て定額法が使われています。
■定額法と定率法の計算方法
取得年月により、計算方法が異なりますのでご注意ください。
1.「旧定額法」「旧定率法」
平成19年3月31日以前に取得された減価償却資産は 「旧定額法」
「旧定率法」で減価償却を行う事が原則となります。
取得価額の95%を減価償却し、残りの5%は 「残存価額」として
残しておきましたが、現在は、取得価額の95%相当額まで償却した年の
翌年以後は、期首帳簿価額から1円を控除した金額を5で除した金額が
償却費の額となり、1円まで均等償却します。(平成20年分から適用)
平成19年3月31日以前に取得された減価償却資産は 「旧定額法」
「旧定率法」で減価償却を行う事が原則となります。
取得価額の95%を減価償却し、残りの5%は 「残存価額」として
残しておきましたが、現在は、取得価額の95%相当額まで償却した年の
翌年以後は、期首帳簿価額から1円を控除した金額を5で除した金額が
償却費の額となり、1円まで均等償却します。(平成20年分から適用)
2.「定額法」「定率法」
平成19年度税制改正により、平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産に
ついては、償却可能限度額及び残存価額が廃止され、1円まで償却することと
されました。この1円は備忘価額といわれます。0円にしてしまうと簿外となり
資産の存在が不明になるので、忘れないようにと帳簿上に1円を残します。
平成19年度税制改正により、平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産に
ついては、償却可能限度額及び残存価額が廃止され、1円まで償却することと
されました。この1円は備忘価額といわれます。0円にしてしまうと簿外となり
資産の存在が不明になるので、忘れないようにと帳簿上に1円を残します。
3.「新たな定率法」
平成24年4月1日以後に取得される減価償却資産の定率法の償却率が
引き下げられました。これは、計算方法が変わったのではなく、
定率法の償却率が変わったのみです。
3月決算でなければ、同じ決算期に2通りの減価償却方法が起こりえますが、
これには経過措置が講じられています。
※経過措置については、次回ご紹介します。
平成24年4月1日以後に取得される減価償却資産の定率法の償却率が
引き下げられました。これは、計算方法が変わったのではなく、
定率法の償却率が変わったのみです。
3月決算でなければ、同じ決算期に2通りの減価償却方法が起こりえますが、
これには経過措置が講じられています。
※経過措置については、次回ご紹介します。
次に、それぞれの計算方法で減価償却してみましょう。
文字数制限(5,000文字)で、全部入らなかったので、後半を次にアップしますね。