「社会保険とは」と題して、社会保険について説明しております。
※社会保険とは(1)~(7)へのリンクは本頁最後にあります。
 
今回は、「健康保険の給付の種類」をご紹介いたします。
一般的に「健康保険」といわれているものは、会社などにお勤めの方が職場で
加入しているものをいい、「国民健康保険」は、自営業の方や会社などを
退職された方が加入しているものをいいます。
 
保険給付には、健康保険法で必ず支給しなければならないと定められている
「法定給付」と、法定給付に加えて健康保険組合が独自に給付する「付加給付」
とがあります。
 
「健康保険、法定給付の種類」
※「付加給付」は、健康保険組合ごとに違いますので、
  「法定給付」のみご紹介いたします。
 
●被保険者が病気・けがをしたときなど
 
・療養の給付
被保険者が病気やけがをしたとき、健康保険を扱っている病院・診療所に保険証を
持っていけば、必要な診療が受けられます。
その際、医療費(入院の場合、食事療養を除く)の3割を一部負担金として負担する
ことになります。
 
・入院時食事療養費
入院中の食事療養にかかる費用のうち、1日3食780円(低所得者300~630円)を限度
に1食あたり260円(低所得者100~210円)の標準負担額を超えた額が給付されます。
 
・療養費
緊急その他やむを得ない事情で保険医以外の医師にかかった場合等は、被保険者が
支払った医療費について健康保険組合に請求すれば、療養の給付に準じて療養費の
支給が行われます。
また、柔道整復師の施術は、医師にかかったときに準じて、保険証で受けられます。
コルセットの代金、輸血の生血代、保険医の指示のもとにあんま・マッサージ、
はり・灸の手当を受けたときの費用は健康保険組合に請求すれば、療養費の支給が
行われます。
 
・保険外併用療養費
大学病院など「特定承認保険医療機関」において高度の治療法により診療を受けた
場合は、高度の治療法部分を除いた保険診療部分について保険外併用療養費が給付
されます。
また、希望して特別室に入院した場合や歯科診療で健康保険で受けられない治療材料
をつかい治療した場合、一般室との差額部分・材料差額部分は自己負担となりますが、
その他の部分は保険診療と同様の扱いとなります。
 
・本人高額療養費
病院・診療所の窓口に支払った自己負担額が、
(1)1カ月レセプト1件につき80,100円(上位所得者150,000円)を超えるとき、
  その額に〔医療費-267,000円(上位所得者500,000円)〕の1%を加算した額を
  超えた額を支給します。低所得者は35,400を超えた額。
   ※入院の場合、事前に健保組合への申請により病院窓口での支払が、
   自己負担限度額で済みます。(限度額適用認定証)
 
(2)血友病、血液凝固因子製剤によるHIV感染症及び人工透析を必要とする
  慢性腎不全の長期高額療養者の場合、10,000円(人工透析を必要とする上位所得者
  については20,000円)を超えた額を支給します。
 
(3)12カ月の間に同一世帯で3回の高額療養費が支払われている場合、4回目以降は
  44,400円、上位所得者83,400円(低所得者は24,600円)を超えた額を支給します。 
 
・合算高額療養費
病院・診療所の窓口に支払った自己負担額が、同一月・同世帯で21,000円を超えるもの
が複数(被保険者及び被扶養者、または同一人について)あるときは、世帯で合算し、
自己負担限度額80,100円〔(上位所得者150,000円)(一般・上位所得者は1%加算あり)
(低所得者35,400円)〕を超えた額を支給します。
 
・訪問看護療養費
難病患者・末期がん患者や寝たきりの患者が自宅で療養する場合は、医師の指示により
訪問看護ステーションから派遣された看護師等に療養にともなう看護や介護を受けるこ
とができます。その際、看護費用の3割を利用料として負担することが必要です。
 
・移送費
入院・転院等の必要があると医師が認め、歩行困難のため交通機関を利用する場合は、
事前(やむを得ないときは事後)申請により費用の支給を受けることができます。
(基準により算定した額)
 
・傷病手当金
療養のため仕事を休み給料がもらえないときは、4日目から1年6カ月の期間内で、
仕事に就かなかった日1日につき標準報酬日額の3分の2相当額を支給します。
 
・出産育児一時金
被保険者が出産をしたとき、1児につき一律39万円を支給します。妊娠85日以上であれば、
死産・流産にかかわらず支給します。
また、妊娠22週以上で産科医療補償制度に加入している医療機関で出産したときは
3万円加算され42万円支給します。
 
・出産手当金
出産のため仕事を休み給料がもらえないときは、産前42日(多胎妊娠の場合は98日)
・産後56日、計98日間(多胎妊娠の場合は154日)の期間内で、仕事に就かなかった日
1日につき標準報酬日額の3分の2相当額を支給します。
ただし、出産予定日より遅れた場合には、産前支給日数を超えても休職期間中は
支給します。
 
・埋葬料(費)
被保険者が死亡し家族が埋葬を行ったとき、一律5万円を支給します。
家族以外の人が埋葬したときは、上記の範囲内で実費を支給します。(埋葬費)

●被扶養者(家族)が病気・けがをしたときなど
 
・家族療養費
被扶養者である家族が病気やけがをしたとき、療養の給付に準じ医療費の7割
(義務教育就学前は8割)を支給します。入院の場合、食事療養を除いたそれぞれの
医療費を給付します。その際、医療費の3割(義務教育就学前は2割)を負担すること
が必要です。
 
・第二家族療養費
被扶養者である家族が緊急、その他やむを得ない事情で保険医以外の医師にかかった
場合等、また柔道整復師の施術、コルセットの代金、輸血の生血代、保険医の指示の
もとにあんま・マッサージ、はり・灸の手当を受けたときの費用は健康保険組合に
請求すれば、療養費に準じ7割(義務教育就学前は8割)を支給します。
 
・保険外併用療養費
被保険者と同様に、医療費の7割(義務教育就学前は8割)を給付します。
 
・家族高額療養費
本人高額療養費と同様に支給します。
 
・家族訪問看護療養費
被扶養者で難病患者・末期がん患者や寝たきりの患者が自宅で療養する場合は、
被保険者同様の訪問看護サービスを受けることができます。
その際、看護費用3割(義務教育就学前は2割)を利用料として負担することが必要です。
 
・家族移送費
被扶養者が入院・転院等の必要あると医師が認め、歩行困難のため交通機関を利用する
場合は、事前(やむを得ないときは事後)の申請により費用の支給を受けることが
できます。(基準により算定した額)
 
・家族出産育児一時金
被扶養者である家族が出産したとき、1児につき一律39万円を支給します。
妊娠85日以上であれば、死産・流産にかかわらず支給します。
また、妊娠22週以上で産科医療補償制度に加入している医療機関で出産したときは
3万円加算され42万円支給します。
 
・家族埋葬料
被扶養者が死亡したとき、一律5万円を支給します。

●介護サービスを受けたとき
・高額介護合算療養費
健康保険の患者負担額と介護保険の利用者負担額(それぞれ高額療養費または
高額介護サービス費が支給される場合は、それを控除した額)を合算した額が
年額の自己負担限度額を超えた分が支給されます。
 
●資格喪失後の保険給付
健康保険の保険給付は、被保険者に対して行われるのを原則としていますが、
退職などにより被保険者でなくなった(資格喪失)後においても、
一定の条件のもとに保険給付が行われます。
 
(1)保険給付を受けている人が資格を喪失した場合(継続給付)
資格を喪失する日の前日までに継続して1年以上被保険者であった人は、資格を喪失
した際に現に受けていた傷病手当金及び出産手当金を引き続き受けることができます。
傷病手当金は1年6か月間、出産手当金は出産前後合わせて原則98日間の範囲内で、
支給を受けることができることになっていますが、この期間から被保険者である間に
すでに支給を受けた残りの期間について受けることができます。
 
(2)資格を喪失した後に保険給付を受ける事由が生じた場合
これには、死亡に関する給付と出産育児一時金の給付の2種類があります。
 
A.死亡に関する給付
次の場合は、埋葬料か埋葬費が支給されます。
1.(1)に該当する人が死亡したとき
2.(1)に該当する人が継続給付を受けなくなってから3か月以内に死亡したとき
3.被保険者が資格を喪失して3か月以内に死亡したとき
 
B.出産に関する給付
資格を喪失する日の前日までに継続して1年以上被保険者であった人が
資格喪失の日後、6か月以内に出産をしたときは、被保険者として受けられる
出産育児一時金が支給されます。
 

給付を受ける権利は2年で時効となりますので、給付請求の手続きは、
早めにされてくださいね。
 
 
■「社会保険とは」マイブログリンク
 
 第1回目「社会保険の概要」はこちら!
 http://blogs.yahoo.co.jp/tmcc_column/6732214.html
 
 第2回目「適用事業所」はこちら!
 http://blogs.yahoo.co.jp/tmcc_column/7048951.html
 
 第3回目「保険料率」はこちら!
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 第4回目「雇用保険の給付の種類」はこちら!
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