土地・建物を所有していると固定資産税が課されます。また、土地・建物が
 所在する地域によっては、都市計画税が課されることがあります。
 土地・建物以外にも機械や器具備品などの償却資産を所有している場合には、
 これらについても固定資産税が課されます。償却資産に対して課されるため、
 土地・建物に係る固定資産税と区別して償却資産税と一般によばれています。
 
 償却資産税は、所有者である会社が毎年1月に申告書を提出します。
 償却資産税は、償却資産が所在する市町村に対して申告、納税します。
 そのため、経理部門では、償却資産がどの市町村に所在するかを固定資産台帳等
 で把握している必要があります。

 ●固定資産税とは
 固定資産税とは、毎年1月1日(賦課期日)において、固定資産(土地、家屋、
 償却資産)を所有している人が、その価格をもとに算定される税額を、
 その所在する市町村に納める税金です。
 
 ●固定資産の種類
 ・土地:田、畑、宅地、池沼、山林、原野、その他の地目の土地
 ・家屋:住宅、事務所、店舗、工場、倉庫、その他の建物
 ・償却産資:
   土地・家屋以外の事業の用に供することができる資産で、その減価償却額
   または減価償却費が法人税法または所得税法の規定による所得の計算上損金
   または必要な経費に算入されるものをいいます。ただし、鉱業権、漁業権、
   営業権、特許権、その他の無形減価償却資産及び自動車税、軽自動車税の
   対象となる自動車等は除かれます。
 
 ●固定資産税を納める人(納税義務者)
 ・土地:毎年1月1日現在、土地登記簿または土地補充課税台帳に所有者として
     登記または登録されている人
 ・家屋:毎年1月1日現在、建物登記簿または家屋補充課税台帳に所有者として
     登記または登録されている人
 ・償却資産:
   毎年1月1日現在、償却資産課税台帳に所有者として登録されている人
  ※償却資産とは…会社や個人で工場や商店などを経営している人が事業のために
   用いることができる機械、器具、備品などをいいます。
 
 ●固定資産税がかからない人(免税点)
 同一人が同一市内に所有する土地、家屋、償却資産について固定資産税の
 課税標準額のそれぞれの合計額が次の金額に満たない場合には固定資産税は
 かかりません。
 ・土地:30万円
 ・家屋:20万円
 ・償却資産:150万円
 
 ●申告と届出
 1.1月1日現在、市内に償却資産を所有している人は、1月31日までに、その内容を
   申告する必要があります。
 
 ・申告しなければならない償却資産
  固定資産税の課税対象となる償却資産とは、土地、家屋以外で事業の用に
  供することができる有形減価償却資産です。
 (1)税務会計上減価償却の対象となる資産。
 (2)耐用年数1年以上で取得価額が10万円以上の資産。ただし10万円未満であっても
  税務会計上固定資産として計上しているもの。
 (3)取得価額30万円未満の資産で中小企業者の少額資産特例に該当するもの。
 (4)減価償却を行っていない資産でも、本来減価償却を行うことができる資産。
 (5)帳簿上は残存価額のみが計上されている資産。
 (6)資本的支出としての改良費。(本体部分と改良部分は分離して申告してください。)
 (7)企業会計上簿外資産として取扱われている資産であっても事業の用に供しているもの。
 (8)企業会計上建設仮勘定で計上されている資産でも1月1日現在工事の一部又は全部が完
  成し、事業の用に供している資産又は事業の用に供することができる資産。
 (9)遊休、未稼働の資産でも、1月1日現在事業の用に供することができる資産。
 (10)清算中の法人が所有する資産で、清算事務の用に供しているもの及び他に
  貸しているもの。
 (11)トラックショベル、ブルドーザー、クレーン車などの大型特殊自動車で
  分類番号が0、00~09、000~099、9、90~99、900~999の番号のもの
  及び標札プレートの番号登録をしていないもの。
 (12)資産の所有者が、他の者に貸し付けている資産。
  (ただし、貸付け先で事業の用に供されているもの。)
 (13)リース期間満了後無償譲渡される資産。
 (14)割賦購入資産で割賦代金が完済されていない資産。
  (売主に所有権が留保されている資産)
 (15) 建物附属設備で償却資産に該当するもの。
 (16) テナント等の家屋の附帯設備で賃借人が施したもの。
 
 ・申告する必要のない償却資産
 (1)耐用年数1年未満又は取得価額10万円未満の資産で、一時に損金算入されたもの。
 (2)一括償却資産で取得価額20万円未満の資産を3年間で償却するもの。
 (3)自動車税、軽自動車税の課税対象となるもの。
 (4)リース資産で取得価額20万円未満のもの。
 (5)借主のリース資産で所有権移転外ファイナンスリース取引のもの。
 (6)建物、建物附属設備のうち家屋の対象となっているもの。
 (7)無形固定資産(ソフトウェア、特許権等)
 (8)絵画、骨董品等の美術品で取得価額が1点20万円を超え
  (絵画にあっては、号2万円以上)減価しないもの。
 
 2.会社などの名義変更や住所移転の場合は、随時、資産税課に届け出ます。
   また、土地や家屋の所有者の死亡により 納税義務者が変更となる場合や、
   家屋を取り壊した場合も、資産税課に届け出ます(ただし、登記の手続きが
   済んだ場合はその必要はありません)。
 
 ●Q&A(売却した場合の固定資産税の納税者は?)
 Q:Yさんは、平成23年12月に土地と家屋を売って、翌年1月中に所有権移転登記も
  済ませました。その場合、Yさんは、今年のその固定資産税を納めなければ
  ならないのでしょうか?
 
 A:固定資産税は毎年1月1日(賦課期日)に、土地、家屋、償却資産(これらを
  総称して「固定資産」といいます。)を所有している人に課税されます。
  Yさんの場合は、登記簿上平成24年1月1日現在での固定資産の所有者となります
  ので、平成24年度分までは、その分の固定資産税額を納めていただくことにな
  ります。また、平成24年1月2日以降に家屋を取り壊された場合も同様に
  平成24年度分が課税されます。
  従って、平成24年1月2日以降に固定資産の所有者になられた方への課税は
  平成25年度からになります。