スティーブ・ジョブズ氏の死を悼む

米アップルを創業し、同社を時価総額世界一の企業に育てた
スティーブ・ジョブズ前最高経営責任者（CEO）が死去しました。
 
2011年8月24日に体調不良を理由にCEOを辞任したばかりでしたが、10月
5日享年56歳という余りにも早過ぎる天才の死に世界中が驚きと哀悼の
意を表しています。

ジョブズ氏は1976年、友人とアップルコンピュータ（現アップル）を創業。
コンピューター産業で米IBMが支配的な存在だったころ、家庭でも
コンピューターを気軽に操れるようにと、パソコン「アップル」を
発売するなどパソコンが世界の家庭に普及する礎を築きました。
 
「おおぼら吹き」や「詐欺師」の異名をとるカリスマ経営者で、いちじ
るしくバランスの欠けたアクの強い性格で知られており、自己中心的自
己顕示欲、反骨精神、大胆な行動力、卓越した話術、そして鋭いビジネ
スの嗅覚を合わせもっている・・・など様々な評価が成されていますが、
iPod、iTunes、Mac OS X、iPhone、MacBook Air、iPadなどの製品を大ヒ
ットさせ、アメリカのコンピュータ史上に名を残す素晴らしい功績を挙
げたことに誰も異論を唱えることは出来ないことは明白であります。
 
1度追放され、経営難に苦しむアップルに戻り、暫定CEOに就任して以来、
基本給与として、年1ドルしか受け取っていなかったことで有名であり
（実質的には無給与であるが、この1ドルという額は居住地の州法により、
社会保障を受けるために給与証明が必要なことによる）、
このため「世界で最も給与の安いCEO」とも呼ばれました。
2006年に、ピクサーをディズニーが買収したことにより、ディズニーの
個人筆頭株主となり、同社の役員に就任しましたが、ディズニーからの
役員報酬は辞退していたそうです。

今回の訃報に関しては、米オバマ大統領、マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏、
日本でもソフトバンクの孫正義社長などからコメントが寄せられています。

ジョブズ氏の最期の数カ月、アップルはエクソン・モービルを超え、時価総
額世界一を達成し、結果としてジョブズ氏はそれを見届ける形になりました。
 
ＩＴ企業を経営している私はジョブズ氏を尊敬していました。
心よりお悔やみ申し上げます。