~前年同期比3.5倍の84件 7月、8月と急増~
 
 東京商工リサーチの発表によりますと、中小企業金融円滑化法に基づく
 返済猶予を利用したにもかかわらず、倒産に至るケースが7月、8月と急増し、
 今年は8月までの累計件数が前年同期より3.5倍も増え、
 また3月に取扱いを終了した「景気対応緊急保証制度」の利用後の倒産も
 前年同期より約2倍に増加したそうです。
 
 これは、円滑化法(2009年12月の施行)以降、中小企業の資金繰り緩和に
 寄与して倒産抑制に効果を発揮したが、1年半を経過して資金繰りの
 緩和効果が一巡し、加えて東日本大震災の大きな打撃が要因とみています。
 また円滑化法と並んで、倒産抑制の2本柱であった「景気対応緊急保証制度」
 の利用企業の倒産が増勢している要因として、応急的な資金手当てで
 一時的には資金繰りが緩和したが、業績の回復が伴わない企業が多く、
 資金繰り支援の政策効果が薄れ始めていると読んでいます。
 
 一時的に資金繰りが楽になっても、その間に経営の改善を行って、収益性
 の改善や、資金繰りの見直しを計画的に実行し、企業を立て直す・・
 なんて、経営立て直しはそんなに簡単じゃありませんよね・・
 東京商工リサーチさんも書かれていましたが、新たな支援策が必要だと
 思います。