今回より数回に分けて、社会保険について説明したいと思います。
 
 1.社会保険の概要
 
 国または地方公共団体が直接管理・運営する、日本の社会保障制度の事です。
 民間で運営している個人保険に対し、国が運営している保険なので社会保険と
 呼ばれます。
 
 事前に強制加入の保険に入り保険料を収める事により病気、負傷、身体の障害、
 死亡、老齢、失業などで働けないという事故(リスク)に備え、事故が起こっ
 た時に現金又は現物給付により生活を保障する相互扶助の仕組みです。
 
 主なものに、労働者災害補償保険(労災保険)、雇用保険、厚生年金保険、
 健康保険、国民健康保険などがあります。
 
 一般的に、厚生年金保険と健康保険を狭義の社会保険、
 労災保険と雇用保険を合わせて労働保険といいます。
 
 ●労災保険(就業者災害補償保険)
  この制度は業務上の事由や通勤中による就業者の負傷、疾病、障害、死亡
  などに対して必要な保険給付を行うものです。社会復帰への支援が必要な
  場合は社会復帰も促進し、死亡してしまった場合の被災就業者および遺族
  の擁護や就業者の福祉の増進など、就業者を業務中や通勤中に起こって
  しまったトラブルから守ります。
 
 ●雇用保険
  雇用保険とは、厚生労働省が保険者となって行っている保険事業です。
  就業者が失業した場合に必要な給付を行って生活を一定期間保障したり、
  就業者が自ら職業に関する教育訓練を受けて能力開発を図る場合にその
  就業者の生活や雇用の安定を図り、再就職活動を容易にするための保険です。
 
 ●厚生年金保険
  厚生年金保険とは、老齢、障害、死亡の場合に、国民年金の基礎年金に
  上乗せして加入者に給付を行う制度です。それぞれの場合において
  老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金となります。 
 
 ●健康保険、国民健康保険
  健康保険は大きく二つに分けられ、会社や工場、商店などで働く人が加入
  する健康保険と、農業や自営業を営む人など健康保険に入っていない人が
  加入する国民健康保険とがあります。どちらも被保険者や扶養家族が病気
  や怪我をした時、出産した時、亡くなった時に必要な保険給付を行うこと
  によって生活を安定させるための制度です。 
 
 次回は適用事業所について、説明致します。