私が子供の頃のモササウルスといえばこんな感じでした。
しかし今のモササウルスの復元はこうなっています。
随分変わりましたねえ
昔の復元は、まあ文字通り海棲になったトカゲですね。
パッと見で大きな違いは、今は尾が発達したフルークになってますね。
昔はモササウルスの尾は、ウナギみたいな櫂の形で復元されてました。
これは2008年にヨルダンで見付かったプログナソドンの印象化石や
2010年にロサンゼルス郡立自然史博物館に所蔵されていたプラテカルプスの全身骨格の詳細な研究報告により
復元が変わったのです。
プログナソドンの化石には、魚竜化石の様な三日月状になった尾の軟組織が化石化して残っていました。
非常に保存状態が良好な標本で、繊維の向き迄見分けられたそうです。
その研究報告は2013年に論文発表されました。
プラテカルプスの化石は長らく所蔵庫に眠っていた標本でした。
変形をしていないこれまた数少ない保存率の高い全身骨格標本で
尾の先端が下方に曲がっていました。
これは古くから尾鰭の印象化石が多く見付かっている魚竜と
全く同じ骨格構造だったのです。
この二つの標本の新発見には古海棲爬虫類類の世界的権威である
ルンド大学のヨハン・リンドグレン博士の活躍によるところが大きいです。
(ぶっちゃけモササウルス類の最新研究を知りたければ、リンドグレン博士の科学誌に掲載される論文や寄稿を幾つか読めばいい)
昔はモササウルス類はあまり遊泳能力は高くなく
泳ぎ方はウミイグアナと同じ様な感じで
獲物も、ウツボみたいに待ち伏せて襲っていたと考えられていました。
しかしこの発見により
現在モササウルス類は、ホホジロサメやシャチの様に
遊泳能力の高い、活発な捕食生物(ハンター)だったと考えられる様になりました。
またモササウルス類は、昔はオーソドックスな爬虫類のイメージと同じ変温生の生物だと思われていましたが
(ここで豆知識。現在の生物学では分類郡で生物を恒温生物や変温生物だとは決め付けません。実際にそうでは無い事例が幾つも確認されているからです。例えば爬虫類でも体温を維持出来るトカゲや自ら体温を上げられるヘビ、哺乳類や鳥類でも恒温生では無かった種も存在するのです)
現在はマグロやウミガメと同じ中温生の生物であったと考えられています。
あと昔は背中にギザギザの背鰭(?)が描かれていましたが
これはコンクリーションを化石の一部と勘違いしていた事からの
間違った復元だと判明しました。
モササウルス類は現在魚竜と同じ卵胎生であったと考えられています。
爬虫類というと多くの人達は、全てが鳥やワニと同じ卵生だと思っていますが
実は現生のトカゲの約25%程が卵胎生なのです。
この卵胎生という生態は、基盤的な双弓類や鱗竜類の爬虫類にしか見られず
恐竜等の進化した真主竜類の爬虫類に、卵胎生の種は存在しません。(原始的な主竜形類にはそれらしき種が居るらしい)
カーソサウルスというウミトカゲの化石には
胎児の化石が母体の中に残る化石も見付かっています。
また、日本人唯一のモササウルス類の専門家であるシンシナティ大学の小西卓哉博士によると
モササウルス類が卵胎生である事は、その肋骨の骨格構造から見てとれるそうです。
彼等の肋骨は、恐竜等とは違い、哺乳類の様に腹部で急に短くなっています。
これは子宮が有ったスペースだと推定されるのだそうです。
近年は電子顕微鏡やCTスキャナーを使った研究により
軟組織が化石化した標本や、軟組織の印象化石の詳細な研究報告も増えました。
それによりモササウルス類の鱗の形や
なんと体の色の復元までされる様になりました。
色素細胞のメラノソームの痕跡により、一部の恐竜の体色が復元されましたが
同じ手法で、モササウルス類の体色の復元を試みた研究報告もあります。
2014年にNatureに掲載たれた論文によると
モササウルス類はクジラのような背中が暗色で腹部が淡色のカウンターシェイディングであったそうです。
簡潔にモササウルス類の説明をするつもりが
また長くなってしまったので続く
次回はようやく本来書こうと思った
日本の博物館で見れるモササウルス類の標本について書こうと思ってます。
こうご期待下さい(笑)






