最近白頭山で地震が頻繁に発生しガスが噴出するなど深刻な噴火の兆候が現れており汎国家的な対応策をまとめる必要性が提起されている。
15日の国会では「目覚める白頭山火山どうすべきか」という主題の討論会も開かれる。
この日の討論会には与党議員と、学界、研究機関、政府官庁関係者ら専門家100人ほどが参加すると韓国地質資源研究院が12日に明らかにした。
最近白頭山の天池周辺では火山性地震と天池が膨らむなど噴火の兆候が現れている。
2002年から2005年の間に白頭山天池周辺で火山性地震が3000回以上起きた。
2002年から2009年までは12センチメートルほど隆起と沈下があり、摂氏60度前後の白頭山天池周辺の温泉の温度が2015年には83度まで上がった。
温泉で採取した火山ガスのヘリウム濃度は一般大気の7倍以上だった。
地質資源研究院はこうした現象をいずれも深刻な火山噴火の兆候と判断していると説明した。
(中央日報 4/14)
「白頭山」は中国の吉林省と北朝鮮の両江道の国境地帯に位置している標高2,744mの火山で、中国では「長白山」と呼ばれています。
元々中国も北朝鮮も白頭山の領有権を主張して来ましたが、今は頂上の天池から北側半分は中国領、南側半分が北朝鮮の領土となっているようです。
北朝鮮でも韓国でも 白頭山は朝鮮民族の発祥の地と信じられており、霊山として信仰の対象になっている山です。
韓国では国歌の中にも出てきますし、北朝鮮においては金正恩委員長を「白頭の血統」と称えて政権の神格化にも利用されています。
父親の金正日将軍は祖父の金日成主席が抗日パルチザン活動を白頭山地域でやっていた時に白頭山で生まれたという事になっています。
(実際はロシアの極東地域で生まれたのですが)
その様に今の北朝鮮体制にとっても 白頭山は特別な意味を持つ霊山であるわけです。
それだけにこの白頭山が大噴火でも起こした場合には直接的な被害も大変なものでしょうが、金王朝神格化の基盤である白頭山が崩れたりしようものならそれはそのまま「金王朝の崩壊」を象徴する事になってしまいます。
白頭山の噴火がどの程度の規模でいつ起こるかわかりませんが、一連の北朝鮮による地下核実験がかなり影響を与えて来た事は科学者たちも指摘しており、思ったより早く起きるかもしれません。
北朝鮮の金王朝が国際的制裁などの人為的な力に拠るよりも、白頭山の噴火などの自然災害を契機にして崩れてゆく方が「天罰」のようで何か納得できる様な気もしますよね。