「怒りの韓国社会」のガス抜き!! | ソウルの風に吹かれて、時には優しく、時には雷雨のごとく!

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韓国での暮らしを通して観た韓国社会の素顔や日韓関係、南北問題、韓流など興味を引く情報を紹介してゆきます。

2014年の韓国は「怒りの社会」だった。セウォル号の事故で罪なき多くの人々が命を落としたことに始まり、韓国軍での兵士集団暴行死事件、高位公職者によるわいせつ事件、大学教授たちによるセクハラ、ナッツリターン事件へと続き、怒りが増幅されていった。
セクシャルハラスメントとパワーハラスメントがもつれて発生した。

一般人を奈落の底に突き落とし、カッとさせた事件の主人公は、そのほとんどが「社会的に地位のある人」「学歴の高い人」だった。 いい大学を出て難しい試験に合格し、留学して博士号を取得し、優良企業で働き、名門の家柄や財閥の血筋として生まれ、裕福に育った人々だった。 世の人々が「このうち一つでも持っていれば」と思う条件をいくつも兼ね備えたエリートたちだった。結局、韓国社会の「上流層」と「高学歴層」が問題だったのだ。

 ソウル大学心理学科の郭錦珠(クァク・クムジュ)教授は「2014年の韓国国民の感情は一言で言って怒り」と断言する。
(朝鮮日報  1/4)




昨年の韓国はセウォル号沈没事件が象徴する「大型人災事故」の連発でした。

そして社会は中間層の没落により、上級層と下級層の分化が明確になり、格差が拡大してゆきました。

韓国社会は高卒者の65%が大学進学する高学歴社会ですが、同時に大卒者の40%が就職できない青少年にとって不毛な社会でもあります。

もはや大学卒業や留学がその後の人生を保障するものでなくなってしまいました。

そういう中で大企業に正社員として入社するのは庶民にとっては正に「天の星を掴むような話」でもあるわけです。

そのエリートたちが企業のオーナー家族のどら息子、娘たちに奴隷のような扱いを受けた屈辱感、怒りが社会の不満層の怒りと結びついて爆発したのが今回の大韓航空ナッツ事件でした。



今、ナッツ姫は監獄に収監されていますが、普通であればこんなに社会的大事件になるような事件ではありませんでした。

しかし、上流層に対する社会の怒りや妬みが彼女に集中してゴーストケープに仕立て上げた、ナッツ姫にとっては本当に不運なタイミングの事件でした。


これで韓国の上流層の態度が改善されるとは思いませんが、韓国庶民にとっては良いガス抜きにはなったことでしょう。