わが国発祥のキムチが文化遺産になると韓国で大騒ぎしていましたが、どうも事情は違うようです。
韓国の「キムチとキムジャン文化」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形遺産に登録される見込みだと韓国文化財庁が発表したことに関し、ユネスコ本部が発表内容について警告したことが分かった。
韓国文化財庁は10月23日、ユネスコの審査補助機関が「キムチとキムジャン文化」の登録を勧告したと発表。勧告が覆された例はないことから、韓国では「キムチ」が無形遺産に登録されるとして大きな話題を集めた。
しかし、ユネスコのホームページに記されている無形遺産の登録候補は「キムチ」ではなく、キムチを作って分かち合う文化を指す「キムジャン(Kimjang)」。
韓国外務省によると、ユネスコは「キムチが人類遺産のように伝われば商業化に利用されかねない」との懸念を示し、特定の食べ物が無形遺産に登録されることはないと説明した。
(サーチナ 11/10)
毎年、11月に入るとキムチを漬けるキムジャンが韓国のどの家庭でも見ることができました。
家庭ごとに独自のキムチの漬け方があったりして、嫁いだ嫁さんは姑さんから手ほどきを受けながらその家の伝統的な味付けを学んだりしたものです。
キムジャンは韓国の季節感あふれる風物詩で、白菜をいっぱい積んだトラックが街を行き来する姿を見て冬が近いのを実感したりしました。
しかし、最近はキムジャンをする風景を見る機会が段々減ってきて残念ですね。
核家族化が進んだせいか、キムチを家で漬けずにスーパーなどで購入する家庭が韓国でも増えてきています。
また大量のキムチを消費する食堂も、経費がかかることもあってキムジャンをするよりも安い中国製のキムチを買い込むところが増えてきたようです。
「キムチ」そのものでなく、「キムジャン文化」がユネスコ無形遺産の候補になるようですが、あと10年もしたら、キムジャン文化が韓国から消滅してしまう怖れもありますね。
そうなると「観光用のショーとしてのキムジャン」になってしまうかもしれません。
すべてが時代の移り変わりで変化してゆくのでしょうが、良いものはいつまでも残ってほしいですね。