2013年こそはもう少しまともにUpしていこう、そう思い早速書いてみました。
Happy New Year, wishing you the very best for the year 2013.

ちょっと無理矢理で話題が思い浮かばないので、当たり障りのない2013年のマーケット展望(希望的なバイアスが強いので話半分で聞いて下さい)について書かせて頂こうと思います。


2013年予想---best 5---
はい、よくある怪しい予想の模倣です。

1. 2013-1Qで1USD=90JPY
2. Nikkei 225 13,000 JPY回復 
3. 米国失業率 7.0%へ
4. オーストラリア、シンガポールのリセッション
5. 再度のユーロ圏債務危機(9月頃に一旦リスクオフ局面入り予想)

正直、言っておいて自身でもこんなん起きるのか?って感じではあります。
が、一応来年振り返った時のお楽しみ材料ということで...。


以下、少し真面目な話題で米国について。

2013年の米国は、①財政の問題にどう取り組むか②景況感の改善が引き続くか③ドル高にどう対応するか、対応可能な構造、景気回復になっているか、がテーマになるかと思います。


---財政の崖---

年末年始だというのに相変わらずなかなか合意出来ない財政の崖問題です。
案の定、先延ばし出来て2ヶ月の債務上限問題もあるので、その点で妥協してやるから代わりに自身達のバックに良い顔が出来るようギリギリかつある程度譲歩させた案で合意したい共和党とあるべき姿に持って行きたいのでなるべく譲歩したくない民主党の綱引きになっています。

お互い、合意出来ないことによるデメリットの方が遥かに大きいので、1/2~1/3までには合意するのではないかと思われます。
下院でもおそらく邪魔になっているのは数少ない生残りのTEAパーティー議員でしょうから、楽観視していても良いでしょう、経済ファンダが良いだけに、逆にダウンサイドリスクよりもアップサイドのリスクの方が怖いですから。崖から落ちたら落ちたで、別にすぐに1000ドル下げるような下げにはならないでしょうから、落ち着いてHedgeすれば良いだけです。



---オバマ再選---

意外だったが、米国民はやはり政治に対して真剣かつよく考えていると実感させられました。
ロムニーが悪いという意味ではなく(むしろ金融業界にとってはロムニーの方が美味しかったのでポジショントークにはならないでしょう)、より米国の将来について良いリーダーを選択したと感じました。少し日本人としては羨ましい感があります。

さて、そのオバマ大統領ですがざっくり言うと下記を狙って政策運営をしていると考えています。

1. 投資を米国に呼び込み、雇用・輸出を増やす(トヨタ叩きのGM復活、appleの米国内投資等)
2. シェールガスによるエネルギー輸入国からエネルギー輸出国への転換
(1.2.はともに財政収入を押し上げる目的)
3. 全く効果のなかったブッシュ減税を縮小、アフガン戦争に代表される軍事支出の削減を通じて財 政支出を抑える。
4. 貧富の差の拡大が米国の不安定化を招くとの考えから(オバマケアと富裕層増税推進)

こと、富裕層増税と言ってもどこぞの国のように最高税率70%だ~とか相続税100%だ~とかふざけたレベルのものではないですしね。
米国人的な考え方ではどうかはわかりませんが、日本人的な考え方では至極まともな政策に思えてなりません。


---上記背景から考察する方向性---

①については、財政収支の改善にも時間がかかるのでひとまずは先送り。
ただ、良い方向には向かう政策・構造になっている。
②については、①で水が差されない限り引き続くでしょう。
③は、最近の動向を見ているとリスクオン時にはドル安、リスクオフ時にドル高(対円を除く)の傾向が出て来ているのでそこまで大きな変動はないのではないか。対日本円のみ恐らく強烈な円安が続くので不透明。

よって引き続き相対的に非常に良い経済ファンダメンタルズの国として選好されると思われる。


と、こんなことを考えています。
縁あってこちらを読まれた方で、そこは違う等意見がある方は是非ご意見をお聞かせ下さい。
自身のバイアスが強くなっていると自覚していますので、第三者の方の意見はWelcomeです。



今週末のJPモルガンの決算発表を皮切りに、米銀の決算発表のシーズン入りとなります。

年末に向けて、まだまだ外資系金融機関は人員削減があるようで。
まだまだ厳しい環境が続くことが予想されます。

米国の株式市場の地合が良かったことから、悲観的な材料にはならないと思われます。

ただ、直近金融株のCDSは全体的に大きくタイトニングしており、Bondについてもマークアップの傾向にあります。
そのため負債評価損益勘定で数字としてはノイズが入ることが予想されます。

スタンスとしてはこの間は相場のラリーに付き合い、ボラティリティで稼ぐというスタイルで良いのではないかと思います。


参考までに、主要金融機関のCDS推移を載せておきます。





Grave Dancerのブログ-BoA CDS 5Y
Grave Dancerのブログ-GS CDS 5Y
Grave Dancerのブログ-MS CDS 5Y
Grave Dancerのブログ-CITI CDS 5Y
一般的にPBRが1倍を割っている株は割安で、いずれ1倍の水準まで戻るから買いだという話を耳にします。

前職の証券会社の課長や支店長レベルの人間もそういった発言をしていたのを記憶しています。


確かに、過去マーケットが大きくブレた局面でそういった現象は起きているし割安株のスクリーニングにも使える指標だと思いますし、そこはAgree出来ます。


しかし、PBRが1倍未満の水準の株にはそれなりの理由が存在しています。





例えば、現在の米銀株。


軒並みPBR1倍割れの水準で放置されていますが、これは純資産の評価と負債の評価について、B/S上出ている数値よりもマーケットが保守的に見ているためです。
付け加えれば、インカムアプローチで見ると極めて魅力的でないことや、単純に人気がないというのもあるのですが、大きな理由は資産評価についてでしょう。


資産の時価評価はまさに”時価評価”であって、実取引額ではありません。
Listedであれば適切な価格は明確ですが、OTCもの(債券、CDS、その他デリバティブ等々)については何が”時価”であり”正しいバリュー”なのかはっきりしないものです。(理論価値に過ぎない)

そのため、実際よりコンサバな見立てでマーケットは評価をしているといったところでしょう。


もっとも、筆者はそれを考慮しても米銀株のバリュエーションは魅力的な水準であると思いますが。
その点はまた別の機会にお話させて頂きます。


このように、単純に1倍割れといってもそのそもそもの資産評価や負債評価が必ずしも実態を表せていない場合もありますので、ご投資の際はくれぐれもご留意下さい。


証券会社の、プロと呼ばれる人間でもそこまで厳密にPBRを見ている人間は少ないと思います。
特にリテール営業、法人営業(非機関)では。
ですのでくれぐれもご注意下さい。


ちなみに、証券会社の営業は敵ではありません、上手く付き合うことが大事ですのでチクチクと質問して調べさせるのが良いでしょう。証券会社との上手い付き合い方についてもいずれお話します。




※【ご注意】
上記内容は特定の銘柄への投資または投資自体を推奨・勧誘するものではございません。
当該内容に基づいてなされた投資についても、当方は責任は負えませんのでご留意下さい。
くれぐれもご投資は自身のご投資判断・責任において行って頂きますようお願い致します。