ボストンから1時間もかからない場所にある

夜の ウォールデン湖

 

本当であれば 夜は入れない場所だったが

ク・ジュンピョの手配で

ここに5組のカップルが訪れ

 

いつのまにか

それぞれがずっと育みたかった愛を 

ようやくここで

思い思いに育んでいた

 

 

湖でピアノを弾くことを望んだ チェ・ヨン

 

 

ク・ジュンピョはそれを叶え

ピアノを この湖に チェ・ヨンのために

用意した

 

キム・タンがそう言ったから

 

この男に 湖で ピアノを弾かせた方がよいと

苦しそうな瞳をしているから

その想い さっさと叶えてやった方がよいと

そう想った キム・タン

 

それに 自分もしてきた辛い恋

苦しすぎた 恋

 

 

それを この歌詞を追うことで

吐き出したかった

 

だから そう ク・ジュンピョに言った

 

 

チェ・ヨンがウンスを

後ろから抱きかかえながら椅子にすわり

ピアノを弾き 

 

キム・タンが歌ったあの

Say Something

 

 

 

今 その二人は その想い びと を連れて

この湖へと 飛び込み

そして ずっと我慢していたその想いを

ぶつけ合っていた

 

 

キム・タンは 

湖の真ん中にある杭に

チャ・ウンサンを押し付け

 

それに両腕を巻きつけ

後ろで一つにすると

 

 

あの 倉庫キスのようなキスを

ずっと ずっと ずっと………

 

 

 

湖に キム・タンが

ウンサンの唇を奪い続けている音が

すごい 吸引の音が

響いていた

 

その音 

 

同じような

少し 吸い方が 違うような

そんな音が 

その奥からも 迫ってきているような気がして

 

その音で キム・タンはますます

ウンサンへの想いを 募らせ

そのキス 

 

やめることができなかった

 

 

その柔らかい唇

 

吸っても

吸っても

吸っても

 

吸いたりなかった

 

 

 

あのロスのビーチ

ウンサンの泣き叫ぶ姿

 

一目 見た時から その視線

視界から 外すことが できず

追い続けたキム・タン

 

 

「この 気持ち いったいなんなのか」

 

 

胸の真ん中に手をやり

青いTシャツを ぎゅっと握りしめ

引っ張りながら 下に落とす

 

唇を噛み締め 胸の高鳴る鼓動を

どうにかしようと 努力しても

どうにも ならなかった

 

 

気になって

気になって

気になって………

 

しょうがなくて

どうしようもなくて

 

だから ずっと 連れ歩き

 

自分の元から 離すことができなかった

自分の元へ ずっと 置いておきたかった

 

 

「なぜ 離れるのか 俺から」

 

「なぜ そいつの元へと いくのか」

 

その訳が分からず

ずっと 繰り返し 自問していた その言葉

 

 

自分が本来いるべきところに戻り

婚約者と 一緒に歩いても

 

あの時のように

まったく自分の鼓動 昂らない

気持ちも 高揚もしない

ワクワクしない

 

 

「つまらない」

 

 

そう つまらなかった

なんにも 面白くない

一つも 面白くない

 

話を聞いていても 上の空

買い物をしていても ただぼんやり

宙を見ているだけ

 

 

だが チャ・ウンさんといたら

すべてが 新鮮で

すべてが 面白くて

 

そして 心臓が飛び出して

一人で歩き出してしまいそうなほど

ドキドキして

 

そして 自分の視線の下にあるその唇

 

どうしても

 

奪いたかった

 

 

そんな あの時の想いを

思い出しながら 今 チャ・ウンサンと

このように………

 

 

かなりの間 いろんな形で

吸い続け

ようやく その唇

何度めだろうか 離して

 

そして 再び その唇 取らず

ウンサンの瞳を見つめながら

その躰 抱きしめた

 

 

「俺 お前と ようやく………」

 

「結婚 できるんだな………」

 

キム・タンに吸われすぎたその唇

真っ赤に腫れてしまい

ウンサンは うまく言葉が

話せなくなっていた

 

言葉が 思うように出てこない

 

 

「タンは 大丈夫なの?」

 

 

そう想い 高い位置にあるはずの

タンの瞳を 見つめようとしたら

その瞳 自分の間近に すっと降りてきて

 

そして その頬を

自分の頬へと すり寄せた

 

こすり合わせる キム・タン

 

ウンサンの躰を引き寄せ

大きく 筋肉隆々とした躰

高校生の時より

また 一回り 大きくなったその躰

少し丸めて ウンサンの躰のすべてを

その中に 入れるかのように

すべてをしまい込んでしまうかのように

 

ぎゅっと 抱きしめた

 

頬をこすり合わせながら

ウンサンに言う

 

「今日は ここまで

皆がいるから ここまで」

 

「だが 俺は もう無理なんだ」

 

「本当は」

 

「だから ハワイで」

 

「この後行く ハワイで」

 

「いいよな? ウンサン」

 

「俺 随分 待ったよな?」

 

そう言い

 

こくんと 

 

小さくうなずくウンサンの

動きを そのこすり合わせている

頬から 感じると

 

また そのウンサンの躰抱きしめ

 

自分を 擦り付けるように

摺り合せるように

その大きな躰をくねらせながら

 

 

「本当は 今…………」

 

 

そう つぶやきながら

 

ウンサンに 自分を 誇示していった

 

するつもりなどないのに

ただ 躰が 自然に動いて

その動き 止めることができなくて……

 

くねるような この躰

腰から下 この動き

止められない

 

キム・タンは そんな自分の躰

今は いつものように とど めることなく

勝手に…赴くままに……させておきたい

 

 

「いいだろう?」

 

「今だけ……だ…か……ら……」

 

 

そう キム・タンは上ずった声で

ウンサンの 耳に 囁いた

真っ赤になった その唇を

這わせながらーーー

 

 

 

 

 

 

湖の 奥の奥 

 

すいすいと ひとかきで 

かなり進む その上手な泳ぎ

ウンスの腕を引っ張りながら

湖の中央まで来ると

 

ウンスを引き寄せ そして言った

 

 

「大丈夫か?」

 

「一人で 湖へ飛び込むなど」

 

「様子を見にいっただけなのに」

 

「慌てて飛び込むなど」

 

「まったく イムジャは 

相変わらず 世話の焼けるお方だ」

 

 

 

「俺がいなかったら どうするのだ」

 

「俺がいなければ イムジャは

命がいくつあっても 足りぬな」

 

「それに 俺がいなければ イムジャは

感じることが できぬだろう?」

 

「そしたら イムジャは 困るだろう?」

 

「俺が いなければ」

 

「……困る……だろう……?」

 

 

そう 畳み掛けるようにウンスに

言葉をかけると

 

最後は

 

心配そうな 

 

あのチェ・ヨンの瞳で

 

ウンスを 見つめた

 

 

「困ると……困ると言ってくれ」

 

 

そのような表情で ウンスの言葉を

じっと待つ チェ・ヨン

 

 

チェ・ヨンは ウンスが発するだろう

言葉を 待ちながら

先ほどの ピアノの音色を

思い出していた

 

 

「イムジャ……先ほど あのピアノ」

 

「俺を 感じていたよな?」

 

 

「俺の 指を………」

 

「くっついて 離れないと」

 

「捉えて 繋がっていると」

 

「そう言った………」

 

 

「感じて いたのだな?」

 

 

「俺の 躰を」

 

「俺の 脚を」

 

「俺を……俺自身を……」

 

 

率直に言う チェ・ヨン

ここ 天界では 

 

何を言っても 何をしても

いい気がしていてた

 

自由に 自分の思う通りに

思う存分に していいのだと

そう思えた チェ・ヨン

 

 

だから あの時 祈ったのだ

 

崔家の湖とにた感じのこの湖の

あの夜空の 蒼白い月と 蒼白い星を

見上げながら

 

 

皆の愛が ずっと ずっと

空が白み始めるまで 続きますように

 

 

皆の幸せが もっと もっと

夜の帳が溶けるまで 続きますように

 

 

この頑張ってきた

辛く苦しい状況を乗り越えて

集まった 男たちに

 

幸せが 降り注ぎますように

 

 

そうーーーーーー

 

 

ウンスに言わせた

 

「感じて……る……」

 

 

その言葉を 聞き

喜びに 満ちあふれながら

 

 

もう一度

 

 

 

「言って」

 

 

 

そう チェ・ヨンが請い願った 

 

その言葉

 

 

「ヨンを……感じて……る……」 

 

 

最も幸せな その言葉を

ウンスのその可愛い唇から

聞きながら………

 

 

「何かを 言って」

 

「諦めないように」

 

「俺に 言って」

 

「愛してると 言って」

 

「俺に 言って」

 

「俺だけを 愛していると」

 

「もっと 言って」

 

「もっと」

 

「アイシテルと」

 

「俺に 言って」

 

 

チェ・ヨンは その言葉

言葉にはしてなかったが

その唇が そう言っていた

 

ウンスの

 

 

「ヨンを 感じてる」

 

 

その言葉で 躰が感じすぎて

ピアノの鍵盤を押す

その二人の指も

いまや 一つになっていて

 

最後の白い鍵盤を押した時には

 

もう二人はーーー

 

すでにーーー

 

 

チェ・ヨンの繰り返される

音のない言葉と

チェ・ヨンの ウンスを捉えて

離さない その繊細な指の動き

 

チェ・ヨンの脚に挟み込まれた

ウンスの脚は

 

感じていた

 

最後の音色が 消えてもなお

二人は 感じて

 

いた

 

 

 

 

 

「困ると 言って……」

 

そんな懇願する瞳で 甘える瞳で

自分の眼の前にいる

あの 高麗のチェ・ヨン

あの 史実に名を残し 

今もなお人気のある

そんな すごい 男

 

その男が その大きな図体を

まるで子猫のように 丸く小さくして

親に怒られた子供が 許しを請うような瞳で

 

ずっと私を見つめている

私の答えを ドキドキしながら

今か今かと 待っている

 

「可愛い 男」

 

「可愛いすぎる 素敵な男」

 

 

チェ・ヨンの漆黒の瞳を見て

ふっと 微笑むと

 

ウンスは いつもチェ・ヨンにされるように

その頬 滑らかで白く透明な頬

そのチェ・ヨンの頬を 小さな両手で包み込み

 

 

「安心して……ヨン……」

 

「私のヨンへの愛 どれだけ言葉にすれば

ヨンは 分かってくれるのかしら」

 

「私 ヨンがいないと生きられない

いつも そう言ってるでしょう?」

 

「困る ヨンがいないと大いに困る!」

 

「そうなのよ 私」

 

「そうなの」

 

 

「困りすぎて 私……」

 

「困って困って 途方にくれる」

 

「そして 泣いて泣いて泣き叫んで」

 

「涙も出なくなって抜け殻になって 

多分 本当に生きて いけない 本当に

廃人に なるしか ない 絶対に」

 

「それか ヨンを追って………」

 

 

「そんな私 想像できないけど」

 

「でも それくらい 困るってこと」

 

「だから ヨン」

 

「絶対に私を 離さないで」

 

「一人にしないで」

 

「絶対に 約束して」

 

「ヨン お願い………」

 

チェ・ヨンは 高麗では無理でも

ここ 天界では それができそうな気がした

 

この安全な 天界なら

 

大丈夫

 

「ウンスを 一人お置き去りになどしない」

 

そう 言った

 

高麗では どうしても 言い切れなかった

その言葉

 

ここなら 言えた

 

はっきりと

 

 

今ここで チェ・ヨンは

一つになりたかったが

どうなのだろうか

まだ ここにいてもいいのだろうか

 

そう 気を揉む チェ・ヨン

皆の手前 一人だけ遅れをとっては

ウンスが可哀想に思えた

ウンスに 天界で恥ずかしい思いだけは

させたくなかった

 

高麗にいる時には想いもしなかったことが

天界では 逆に 心配事となった

 

 

天界の男ではない男と一緒にいるから

そうなるのだ

そう 想われたくなかった

 

天界の常識が分からぬ男

そう 想われたくもなかった

 

だから 周りの様子に

ずっと ちら ちら と

気を配っていた

チェ・ヨン

 

 

 

遠くに見えるキム・タンのキス

 

そのすごい音が こちらまで響き渡っていて

チェ・ヨンとウンスを熱くしていたが

それが 今は 終わってしまい

 

二人一緒の姿が見えるだけ

 

 

だが ク・ジュンピョたちの

飛び込む音が 聞こえた

 

 

チェ・ヨン 

その視力や 聴力

ずば抜けて 良い

それが このようなところで役立つ

 

 

「んん? これからか?」

 

 

そう つぶやく

 

 

それに ユンソンのあの凄さは

もうあれは すぐには無理だ

 

チノも 先ほどからずっといないが

やはり あれなのか

 

ということは 俺たち

ここで………

 

そう想い 目の前にいるウンスに

きっぱりと はっきりした口調で

 

 

 

「イムジャを……俺に くれ」

 

 

 

 

そう 言った

 

 

驚く ウンス

 

 

「だって みんなが……」

 

そう言い 桟橋の方を見る

だが ウンスには皆の様子が

よく見えなかった

 

 

「大丈夫なのだ」

 

「だから」

 

 

「欲しい」

 

 

「よいな」

 

 

 

そう言うと チェ・ヨンはウンスに

有無を言わせず

 

 

その躰 奪っていった

 

半ば 強引に

 

半ば 性急に

 

 

そして 激しく

 

そして 優しく

 

 

そして チェ・ヨンをウンスに

 

与えた

 

そのすべてを ここ天界で

 

チェ・ヨンの愛をウンスに注ぐ

 

今のありったけの愛を

ウンスに そのすべてに

撒き散らしていった

 

チェ・ヨンの 凄すぎる愛で

 

チェ・ヨンとウンスの周りには

その二人を取り巻くような

大きな楕円との渦と

さざ波が できていた

 

 

 

 

 

桟橋から 湖へと飛び込んだ

ク・ジュンピョとクム・ジャンディ

 

熱くなり過ぎていた 二人

 

先ほど チェ・ヨンとキム・タンの

ピアノの音色と甘く低い声を聴き

初めて

いや あれ以来の

久しぶりの 

 

ジュンピョのむしゃぶりつくような

あのキスを味わったジャンディ

 

「もう少し 子供のままでいたい」

 

そんなことを言った自分がおかしくなった

 

あの口づけ一つで こんなに熱くなってるのに

ジュンピョが 眩しすぎて

ジュンピョが かっこ良すぎて

 

ジュンピョがーーー

ジュンピョにーーー

ジュンピョと……………

 

ジャンディは もう 気持ちが

止まらなかった

 

そして慌てて水着に着替えて

湖へ飛び込んで

 

泳ぎうまくなったジュンピョに

抱きかかえられて

髪を 撫でられて

頬を 包まれて

そして 顎を掴まれて

口づけされて

 

その手 下へとそろそろと降りて

するっと 撫でると

さらに その下へと 降りて

 

「ジュンピョ!」

 

「な……に………」

 

 

慌てるジャンディ

ジュンピョを見つめると

キスしてるジュンピョの

必死な顔が目に飛び込んできて

 

あの 渋滞の中

ぽんぽん菓子を売っていた私に

すごく 真剣な目で迫ってきて

いきなりキスしたあの時の

ジュンピョに似てる気がして

 

 

そんな 一生懸命なジュンピョが

好きでたまらない

 

一途すぎる まっすぐすぎる

ジュンピョが

大好きで たまらない

 

 

そう思うと

その瞳 また閉じてた

 

 

腕の力も

躰の力も

 

すとん

 

抜け落ちて

 

ただ ジュンピョに

 

その躰

 

委ねた

 

 

ジュンピョの 手を

 

待つ

 

 

ジュンピョの 唇を

 

待つ

 

 

ジュンピョの………を

 

待つ

 

ジャンディ

 

 

 

二人の熱い吐息

 

はあっ はあっ はあっ

 

そんな吐息が

時々 離された 唇から漏れては

 

また ジュンピョに塞がれ

静かになって

 

他の場所の音が 激しくなって

 

ぴちゃっ ぴちゃっ

 

ばしゃん ばしゃん

 

そんな音もたまにして

 

 

「ジュンピョ…………」

 

 

 

ジャンディのそんな 掠れた声が

湖の その波間へと

 

溶け込んで

 

 

いった

 

 

 

 

 

 

ジャンディ………

 

アシテル

 

 

 

 

 

 

追記

 

これは、今めっちゃくちゃに闘病している方

(闘病してると思わせない素敵さが残念笑)

からの今朝リクエストで

慌ててUPしたものです。笑

 

がんばれよ〜

マシン漕ぎすぎて心拍あげすぎるなよ〜笑笑

 

 

で、こちらの物語

2016年にUPしていたものの

再アップなのですが

超途中で終わってまして・・

 

そのシーンは

5キス本編から得意の派生版

「ヨンのクリスマス」

・・・の途中でして

当時をご存知の方は

今のこのブログにほぼほぼいらっしゃらないのですが

 

実は主役2巨頭の

ユンソンとチェヨンが

プライベートジェットに乗ったまま

はや三年が過ぎ去ろうとしています・・

 

なので、今年こそは

目的地のソウルに到着し

チェヨンの悲願を達成してあげたいのですが・・

 

実は私

年末仕事納めの日から

ソウルへジャイロトニック修行に

行く予定にしておりまして

そこでライブフィニッシュできたらいいな〜と

 

あの、明洞チャーチで。笑

 

宿泊は明洞エリアじゃないのですが・・

 

という願望的観測。

また結局言ってるだけで

実現しないのでしょうが・・・

 

クリスマスまであと2週間。

 

こっからこの物語追い込むぞ〜というか

応援していただけると

わかりやすいほどノリがよくなりますので

毎度長い文章ですが

どうぞよろしくお願いします。

 

愛を込めて💌

with love💌

 

 

・・・物語読んでみたら

ヨンのクリスマスの前に

タンのハワイ編があったわ。

笑笑・・・

 

 

 

フィットネス納めは

ジャイロ in Seoul

フィットネス事始めは

ジャイロ in Tokyo

 

時代はジャイロだ!笑笑

 

あ、ジャイロ体験してみたい方は

私まで・・・。