アエメリカ・ボストンから

西へ約30kmのところにある

ウォールデン湖

 

湖というには少し小さく 

どちらかというと池といった

方がよいかもしれない

 

 

今その 美しい月明かりの湖に 

5人の長身で端正な顔立ちをした男たちと

5人の可愛らしい個性的な女性たちの

カップルが集まり

 

それぞれの愛を 語り合ったり

湖の中や草むらで 

すでに愛を育んでいたりした

 

桟橋に座り 足をぶらんぶらん させながら

それぞれのカップルたちの愛を

目の当たりにしていた 

イ・ユンソンとキム・ナナ

 

二人は本当にお似合いの

美男美女のカップルで

まだまだ若く 

可愛らしさと初々しさも漂っていた

 

少し胸の開いた服を着ているその男は

一見 女性を手慣れた風に

扱っているようにも見えたが

 

実のところ よく見ると

若干 頬は赤らみ

その女性の肩を抱く時などは

一瞬 ためらいの色が見えたり 

その手も 小さく震えたりしている

 

自分では一生懸命隠しているつもりでも

まさに 心臓のドキドキ感が伝わってくるような

完全に恋に落ちてしまった若い男

そんな熱を帯びた瞳をしていた

 

MIT(マサチューセッツ工科大学)

を卒業したことになっているイ・ユンソン

 

頭の中にあった 随想録の一節を

誰に聞かせるともなく 

訥々とつとつ と 語り始めた

 

湖の中で 先ほどから熱すぎるキスを 

飽きることなく

ずっと繰り返しているキム・タンと

 

湖の奥の方へ 身軽に泳いでいき

桟橋からは 見えるか見えないか

のところまで行ってしまった

チェ・ヨンの姿を

 

潤んだ瞳で 

うらやましそうに

追いながら………

 


 

 


 

 

私が 森に行って暮らそうと心に決めたのは

暮らしが作るものとの真実と

真正面から向きあいたいと 

心から望んだからでした

 

生きるのに大切な事実だけに 目を向け

死ぬ時に 実は本当は生きていなかっと

知ることのないように

 

暮らしが私にもたらすものから

しっかりと学びとりたかったのです

 

私は今を生きたいのです

私はあきらめたくありません

 

私は深く生き

暮らしの真髄を吸いつくしたいと

熱望しました

 


 

 

「なんだ それ………」

 

皆が着る水着やら飲み物やらを持ってきて

 

「ほら これはお前が着ろ」

 

「ほら お前たちはあっちで着がえろ」

 

執事がもたせたものを

それぞれに渡し 指示を出しながら

かいがいしく世話を焼いていた

ク・ジュンピョ

 

水着を さっさと着もせずに

そのような 訳のわからないことを

言い出した ユンソンを見て

 

 

『お前 大丈夫か?』

 

 

そんな瞳をして 聞いた

 

 

「お前こそ この随想録も知らないのか?」

 

そう ユンソンが少し馬鹿にした顔で

ジュンピョを見つめる

 

 

「お前 シンファの跡取り息子だろ?

今 そのアメリカ支社で仕事してるんだろ?

それなのに こんな有名な一節も

知らないのか?」

 

言葉につまる ジュンピョ

 

「だ……だから それが

なんだって言うんだよ」

 

「そんな話知らなくても 仕事はできる」

 

 

「はああっ」

 

両手を空に向けながら肩を上げ

ユンソンは大きくため息をついた

 

 

「もっと 勉強しろよ

ビジネスだけじゃなくて

人とのコミュニケーションに必要な

いろんなことを」

 

 

「数字だけ見てたって 業績なんて

あがらないぞ」

 

 

そう かなり偉そうに話すユンソンを見て

隣にいた キム・ナナが

 

ぷっと 吹き出した

 

 

「なんだよ なんでお前が笑うんだよ」

 

そうふくれる ユンソン

 

 

「じゃ お前知ってるのか?

この一節 何か 言ってみろ」

 

 

「あ〜もう 本当にそんなに偉そうに言って

自分だって 偶然知ってただけでしょ?

ここ だって あなたが通った大学の近くなんでしょ

いわば ローカルで そんな偉そうなこといって

どうせ 学校で聞きかじっただけでしょ」

 

この先 付き合って結婚したら

完全に キム・ナナの尻に敷かれそうな

このやりとり

 

 

「な……何言ってるんだよ」

 

「知ってるだけ偉いだろ?」

 

「そんなに偉そうに言うなら

お前 この一節から 何を感じたか

言ってみろ」

 

 

そう ユンソンはナナに言った

顎を前に突き出し 口を尖がらせながら

 

そう よくソウルで喧嘩してた

いや 喧嘩というか 可愛らしい言い合い

 

キム・ナナは こんなやり取りを

ユンソンとしたかった

 

待っていたのだ

こんなたわいもないことを言い合える時を

 

ずっと 待っていた

心のそこから 待っていた

 

『ユンソンが生きて

私の目の前で こうして 

私に文句言ってる』

 

『あの少ししか 楽しい時を過ごせなかった

でも 本当に 楽しかったあの時が

今 ここにある

こんな時が 再びやってくるなんて……』

 

 

思わず下を向く キム・ナナ

 

その瞳をユンソンから外すと

自分の顔が 見えないようにした

 

さっきまで 文句を言っていた

ナナのそのいきなりの仕草に 

驚くユンソン

 

 

「お…俺 何か悪いこといったか?」

 

「おい どうしたんだよ」

 

まだ 口をとがらせたままだが

その表情は かなり焦っている

 

下を向いたキム・ナナの

まん丸で大きな瞳から

 

 

ぽたっ

 

ぽたっ

 

 

と 涙が 落ちてきた

 

 

 

「おっ おいっ」

 

「どうしたんだよっ」

 

「俺 なんか泣かすようなこと言ったか?」

 

物言いが 全くストレートすぎる

ユンソン

 

その 飾らないところ

その 分かりやすいところが

魅力でもあり 欠点にもなった

 

でも 実は 人の気持ちが

すぐ分かる ユンソン

 

小さい頃から 本当に寂しく育ったから

人の 辛い想いや 悲しい想いは

人一倍 よく分かった

 

 

よく ナナのことが心配で

影に隠れて見ては

 

「そうだったのか……」

 

「ナナは そう想っていたのか……」

 

 

そう気づくことも多かった

いつも影で隠れてナナを護っているのに

その事実を 決して明らかにしない

ユンソン

 

だから いつも 

ナナに文句を言われては

捨て台詞を吐いて 怒られ

 

仲直りしようと

ご機嫌を取ろうとしては

結局は 口喧嘩になって

 

なかなか 想いがうまく伝えられず

 

よく一人で ナナの写真を見ながら

自分の想いを ぶちまけ

 

「ああっ ちっ」

 

と舌打ちしながら 

頭をくしゃくしゃっと

掻きむしっていた

 

 

そんなことを 何度も何度も繰り返し

ようやく 自分の気持ちに素直に

なった 二人

 

お互いの愛を 知った二人

 

 

だから 今では

 

ユンソンは 

キム・ナナの気持だけは

すべて 手に取るように分かる

そんな 男になっていた

 

 

 

 

顔に覆いかぶさっている髪をかき分け 

キム・ナナを見ようとする

ユンソン

 

恥ずかしくて ナナは

ユンソンと逆の右を向いた

 

その顎を ぐいっとつかみ

自分の方に 引き寄せる

 

その大きな瞳 涙が溜まりすぎて

耐えきれずに 頬を流れ落ちている

その一筋の涙が通った跡を見て

 

思わず ユンソンは

 

頬を真っ赤にして 

顎を持った指だけそのままに

瞳を背けてしまった

 

 

ナナが 可愛すぎたのだ

 

 

つぶらな瞳で まっすぐな瞳で

ユンソンをじっと見つめる

キム・ナナ

 

その強い視線に耐えきれず 

ユンソンは 思わず視線だけでなく

顔すらも 背けてしまった

 

女に 手慣れてるはずなのに

キスなんて 朝飯前を装って

できるのに

 

でも 本当に愛している女の前では

ウブすぎるほどのウブな男だった

 

ここにいる5人の中では

ジュンピョといい勝負くらいの

ウブさだ

 

 

「もう………」

 

 

キム・ナナはそう呟き

 

そして

 

 

「しょうがないんだから…」

 

 

そう言うと

ユンソンの首に腕を伸ばし 巻きつけた

 

そして ユンソンの耳元で

 

 

「待ってた ユンソン」

 

「私 こんな時間 ずっと待ってた」

 

「ユンソン……す……き……」

 

そう 囁いた

 

 

その顔 瞬時に 

さらに かぁぁぁぁぁっと

真っ赤になる ユンソン

 

 

「お……おい………」

 

「い……きな………り……」

 

「どうしたん……だよ……」

 

 

そう言いながらも 

ユンソンは 思いがけなかった

そのキム・ナナの言葉が

嬉しすぎて

 

 

思わず 手を自分の膝の中に入れると

キム・ナナの自分よりかなり低い位置にある

その肩に 自分の背中をかなり斜めにして

寄りかかっていった

 

 

「お前  俺が好きなんだ」

 

「お前  俺のこと そんなに好きなんだ」

 

 

そう 言いながら 

顔に 満面の笑みを浮かべながら

瞳を閉じて そう言っている

 

 

「さっきの ヘンリー・ソローの

ウォールデン 森の生活の一節でしょ」

 

そう キム・ナナが言った

 

「素敵よね ここに自分で小屋を建てて

この自然と向き合いながら生きて

魂で感じた随筆や詩を書くなんて」

 

 

「私……そんな 自由な生活が

ユンソンとの二人だけの生活

してみたいな………」

 

 

「お……おい お前 大丈夫か?」

 

 

嬉しいくせに 慌てるユンソン

 

「いつも そんなこと言わないのに

どうしたんだ? 

なんだか怖いぞ 

さっきから素直すぎて

アメリカに来て性格変わったのか?

お前」

 

 

そう 照れ隠しに 言ってみる

本当は 今すぐにでも

あの 電灯キスをしたいのに

 

 

なぜなら 目の前には

ニヤニヤしながら二人の会話を聞いている

ク・ジュンピョと

うっとりしなが二人を見ている

クム・ジャンディ がいたから

 

それに構うことなく キム・ナナが続ける

 

 

「私は 今を生きたいのです」

 

「私は あきらめたくありません」

 

「死ぬ時に 本当は自分は生きてなかったんだ

そう思いたくないのです」

 

 

「素敵! 素敵すぎる!」

 

「本当よね。今を生きたい!

あきらめたくない!」

 

「自分は 本当にちゃんと生きてたんだって

そう終えられるような人生を

ユンソンと歩きたい」

 

「こんな どうしようもない男だけど

こんな ちゃらちゃらした男だけど

こんな いつも怒鳴ってばっかりいる男だけど」

 

「そんな ユンソンが 私 大好き」

 

「愛してしまったの ユンソンを」

 

 

側にいた クム・ジャンディが

羨ましそうに

そして 幸せそうな瞳で

じっと 二人を 見守っている

 

その 静かな 愛の時間を

わざと たち切るかのように

 

 

「ひゅ〜〜〜〜〜っ」

 

 

と はやし立てる ク・ジュンピョ

 

喜びの声をあげていた

ほんとは 心から感動していた

こんな 可愛い女が

こんな 熱い告白をしてる

 

真剣  

真剣すぎる この愛の告白

いてもたってもいられなかった

 

「早く」

「早く 抱き締めろよ」

 

そう 言いたかった

 

だが キム・ナナが真剣な想いを伝えた瞬間から

ユンソンはずっと黙ったままで

 

いままで あんなにうるさく

あーだ こーだ

言っていた男が

まるで 固まってしまった銅像のように

微動だにせず

 

 

すっと 立ち上がって

 

同じく 立ち上がったキム・ナナを

 

じっと 見つめたまま

 

すごい 眼差しで

ナナを見つめたまま 動かない

 

 

その瞳 先ほど出会ってから

一度も 見たことが……なかった

 

いや 本当は 

ボストンミュージアムのあのエントランス

階段の上でしていた 熱い抑えきれない想いの

ユンソンの Kiss

 

その時も そんな瞳をしていたが

その時 まだク・ジュンピョはそこにいなくて

知らなかった

 

ユンソンの ホントの瞳を

ユンソンの 本当の人間を

ユンソンの 本当の男を

ユンソンの 真実の愛を

 

だから今 そんなユンソンを

初めて目の当たりにして

まるで自分の心にぶつけられるように 

知らされて

 

早く 二人を

早く 二人のkissを

早く 二人のすごい愛を

見てみたかった

 

自分も 本当は そうしたかったから

自分も 目の前にいるジャンディを

 

抱きしめ

こんな風に

愛を 伝えたかったから……

 

 

でも今は 先に ユンソンだ

 

 

そう想い わざと明るく声をかける

ユンソンの背中を 叩く

 

「お前 すごいじゃないか」

 

「思いっきり 告白されてるじゃないか」

 

それでも そんな声に

まったく 反応しないユンソン

 

ジレすぎて ジュンピョは 

ユンソンの腕を 肘で突いた

 

今度は 静かな声で

 

「ほら いけよ」

 

そんな 合図を送る

 

 

 

ユンソンは そんなジュンピョの

肘つきにも 微動だにせず

 

キム・ナナを

真っ赤な潤んだ瞳で見つめたまま

 

じっと 

見つめる

 

 

目の前に いる

 

あんなに会いたかった

キム・ナナが

 

今 自分の眼の前で

俺を こんな表情で 

見つめてくれている

 

愛して 愛して 愛して……

もう耐えきれず 我慢できず

気がついたら ここ ボストンまで

来ていたユンソン

キム・ナナのいる ボストンに

 

 

初めての 愛を

初めての 恋を

教えてくれた 

 

あの時 辛かった タイのあの部屋で

見た ナナ の写真

 

その時 

一瞬で 恋に落ちた キム・ナナの

 

その姿

今の姿を 

 

じっと 

ただ じっと 見つめる

 

 

 

動けなかった

 

 

愛しすぎて 

何も できなかった

 

自分の心の中から 

すごい勢いで 熱いものが

湧き上がり 渦巻き 

 

 

躰中が 焼き尽きそうで

躰中が 燃え尽きそうで

 

動くと どうにかなってしまいそうで

自分が なくなってしまいそうで

 

だから動けなかった

 

ただ一つだけ 自由になるその瞳で

キム・ナナを見つめることしか

できない

 

 

『どう……して………』

 

鍛え抜いた 百戦錬磨のこの躰

自由自在に どんなこともできる

無駄のない だが盛り上がった筋肉

 

 

そんな 自分の躰が

 

「俺の自慢の躰」が

 

まったく 動かない

 

 

『どうすれば………』

 

ただそこに

佇むことしかできない 

ユンソン

 

行きたいのに

今すぐ

行きたいのに

 

ナナを抱いて 

そして kissを

自分の 愛を

 

ここで ナナに

あげたいのに

 

自分の 愛を 

 

俺の 大好きな

俺が 愛してる

俺の 人生の女

 

キム・ナナに………

 

 

 

その時 ナナは

 

 

「アノトキト  オナジ………」

 

そう 思い出していた

アノトキの ことを

 

ずっと待ってた

屋上のブランコで ユンソンを

 

ずっと

ずっと

ずっと

 

やっと来てくれた ユンソン……

 

最初はいつもと違う怖い顔で

見つめられ

 

すごく 怖かった

 

私 怒られちゃうのかな

私 こんなところで 一人でいたから

私 また 怒られちゃうのかな 

 

ユンソン ホント 心配性

ユンソン いつも 意地悪ばっかり

でもその瞳 私を見つめる瞳の奥

そして その奥………

 

いつも 優しかった

だから 安心して なんでも言えた

自分の心 ぶつけられた

 

でも いつも 寂しそうな瞳

その奥にある その辛さと苦しさの色

 

そんな瞳 消してあげたかったのに

そんな瞳 取り出して捨ててあげたかったのに

そんな瞳 でも 消せなかった

 

ユンソン

 

 

ああああ

 

あの時の あのKiss

 

 

絶対 忘れない

一生 忘れない

永遠に 忘れない

 

あの時 私は 私のすべて

ユンソンのものになったから

 

 

私を 右から 左から……

私の 唇 切なそうに 

 

「ずっと 欲しかった」

 

「ホントは 会った時から」

 

「ホントは 初めてお前の写真 見た時から」

 

「ずっと 欲しかった」

 

「欲しかったんだ」

 

「この…可愛い お前の……」

 

「く・ち・び・る」

 

 

そんな ささやき

聞こえてた

 

ちゃんと 聞こえてた

ユンソンの 想い 

 

受け止めてたの

 

ちゃんと

ちゃんと

ちゃんと

 

ずっと

ずっと

ずっと

 

 

ユンソンの あの大きな手

私の頬を 髪を捉えた

掴まえられた あの大きな手 

そして細い指

 

 

絶対に………忘れられない

 

ワスレルコトナンテ

 

デキルワケ

 

ナイ

 

 

あの後の 深すぎる哀しみは思い出さず

 

あの シーンだけを切り取って

その光景 ずっとループさせてる 

キム・ナナ

 

 

その瞳 潤んでた

その瞳 求めてた

 

その瞳………今

 

「今 欲しい」

 

そう言っていた

 

 

ク・ジュンピョが

 

『もう見てられない』

 

そういう表情で

 

ずっと佇んだままの ユンソンの背中を

 

ばんっ

 

そう 突き飛ばした

 

その力で ようやく 

その躰に意思が戻り 動けるようになり

 

ナナへの強すぎる愛で

がんじがらめになって 動けなくなっていた

その躰 が 前へ 動きだした……

 

抱きしめる ユンソン

その厚い豊かな筋肉で ナナを抱擁する

 

ぎゅっと 抱きしめ

さらに 力 強くして 抱きしめ

 

ナナの背中を 弄る

その指 その大きな手で撫で その指滑らし

その躰 その背中を

愛してる

 

そして その瞳 すっと 閉じると

 

ナナの唇に ユンソンの唇を合わせ

ナナの唇の感触を 受けていく

ユンソンの 唇で

 

ぎゅっと

ぎゅっと

 

その唇 ナナのそれに 推し当てる

 

 

 

「欲しい」

 

「いいか?」

 

 

 

そう 聞いた

 

ような気がした

 

ナナ

 

 

 

ユンソンがそう言ったような

気がした

 

 

「もちろん」

 

そんな気持ちで 答えた 気がしたナナ

 

 

 

「愛してる」

 

「ナナ」

 

「俺 苦しい」

 

「もう ダメなんだ」

 

「愛してる」

 

「お前が 欲しい」

 

「いい…か……」

 

 

記憶にない

 

そのあとの 記憶が

 

飛んで 

 

何もない

 

 

だって ユンソン………

 

だって ユンソンが……

 

 

 

 

ク・ジュンピョとクム・ジャンディ

口をあんぐりあけて

動けない

 

あまりに

すごすぎて

 

ユンソンが すごすぎて

そして 素敵すぎて

 

そんな 愛

そんな 愛し方

そんなに ナナを 愛してる

 

すごい………

 

 

そう 躰が感じ

そう 心も感じ

そう 熱くなり

 

二人耐えきれず その場で水着に着替えると

 

もう なんでうまくぬげないのっ

 

そんな気持ちで  

急いで 水着に着替え

 

二人 その熱くなりすぎた躰

冷やすために

 

湖へと 飛び込んでいった

 

 

 

『死ぬ時に 実は本当は生きていなかっと

知ることのないように』

 

『今を あきらめない』

 

『今を 生きたい』

 

 

そんな ユンソンが言っていた

あの一節

頭の中で 感じながらーーー