ゆずの香 -2ページ目

ゆずの香

言語学習やことばへの関心、その他あれこれ
日々の出来事メモなど

 

この数年、論文に限らず、日記やSNS、日々の授業記録などを含むすべての「書く」作業に対する苦手意識が、

以前より強くなっている気がする。が、なんの因果か、今学期は留学生のレポート基礎のクラスを担当することになってしまった。

 

大学でいうレポートというのは、論文のたまごのようなもの。大学教育の最終的な「書き」の目標は論文や論説文を書くことにある。そして、大学における日本語教育の最終目標は、論理的な文章を読んだり書いたり、あるいはプレゼンしたり、他人のプレゼンを批評したりする力を養うことにあるらしい。

 

学生を指導する立場になることに、不安な一方で、自分自身が学べることも多いのではと、前向きな気持ちでスタートした。

 

やってみて、よいところも、よくないところもある(現在、進行中)。

 まずよいところは、学生のレポートを添削するうちに、書き方というか、自分の文章を客観的にみて改善する力が付いた気がする。どう直すと読みやすくなるかとか、情報が整理できるかという視点で文章を見ていくうちに、そんな気がしてきた。自分の論文執筆作業をする際に、自然とそのような視点になり、自分の悪い癖の「木を見て森を見ず」が少し改善されたのではという気がしている。一番大きな収穫だろう。

 一方で、良くないことは、学生数が多いので 添削にとにかく時間を割く。10時間ぐらいかけて、添削とコメントを作成し、学生に返却する。それに、自分の課題と彼らの課題は違うので、結局、自分の問題の直接の解決につながるわけではない。

 

とはいえ、大学で日本語教育に携わる以上、いずれはすべてのクラスを担当してみたいと思うし、

今以上に時間がある時はない、と思う(両親元気だし、子どももいないし)。

なので、今、このクラスを担当できて、よかったんじゃないかな、と思っています。