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jam

基本的に、読んだ本の感想や日々、感じたことを書いています。
気軽に訪れてください。

文章を書くのが得意な方ではない為、表現が多少おかしかったり、実験的な書き方をする場合もありますが、どうか見逃してやってください。

 喪失の物語。

しかし、人が死ぬ……。

どの話も印象深く、心に残るのですが、読んでいるとやりきれない気持ちになります。

本多孝好さん。

現在、好きな作家候補の一人です。




『眠りの海』

両想いに見える永遠の片思い。

人は相手を愛すのではなくて、相手の幻想を愛すのでしょうか?

愛の力ってすごい。

共に死のうと思えるまで人を愛せたら……それは本当に幸せなんだろうな。

いや、それとも悲しいのか……。





『祈灯』

幼い少女には辛すぎた現実。

重すぎる罪。

ただただ悲しい物語。

幽霊ちゃんの最後の行為は、償いだろうか。

火事の現場にいる子供を、自分の妹と重ね合わせたのだろうか。

やはり、命の物語はそれだけ重たいものになりますね。

同じ状況に陥ったことがあるわけではないので、共感することは出来ないですが、その悲しみや重たさ辛さが伝わってくるようです。



序盤は、「Story Seller3」に収録されていた湊かなえさんの「楽園」と全く同じ流れなのに、全く異なる結末を迎えるのが印象的です。





『蝉の証』

「みんな一人で生まれて、一人で死ぬんだよ」

みんな死ぬのは怖い。

相川さんの心境はなんとなく分かるものの、計算高いその行動は、見ていて少し哀れに思えます。

寧ろ、「騙されている」と知りながら、孫にお金を渡して死んでいった向井さんの方が幸せだったのではないでしょうか?

 時々、亡くなった人達のこと思い返そうと思います。





『瑠璃』

何も死ぬことは無かったんじゃないでしょうか。

ルコは、少し……いや、かなり突飛な性格ですが、そんな自由奔放な少女は可愛いと思います。

しかし、それ以上に、主人公の純粋さに感動すら覚えました。





『彼の棲む場所』

果たして、サトウくんは実在したのか?

それとも、彼が生み出した幻だったのか?

人の心には、魔物が潜んでいます。

普段、いい人だと反動も大きいという話も聞きます。

やっかいなものです。







MISSING (双葉文庫)/本多 孝好

¥630
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 毎回、楽しみにさせていただいているアンソロジー第三弾。

大好きな伊坂さんや本多さんがお休みということで、少しがっかりしましたが、色んな作家さんの作品をいっぺんに読めるというワクワク感は相変わらずです。

お気に入りは『ゴールよりもっと遠く』『満願』『片恋』。

ぶっちゃげますと、個人的には1>2>3の順で好きです。




男派と女派/沢木耕太郎


“男”と“女”。

僕の場合、どちらから大切なことを学んでいるのか、断定することは出来ませんでした。

どちらの性別からも沢山の大切なことを教わっている気がするから。

終盤に話に出てきた“手”についての話は、とても興味深いものがありました。

“手”はその人を語る。

一生懸命、バットで素振りをすると手のひらには豆ができ、ギターを弾く人は指先が硬くなる。

今、スーパーのレジでアルバイトをしているのですが、お釣りを渡す時必ずと言っていいほど、お客さんの手に触れます。

男の人のごつごつとした手。

女子高校の熱く柔らかな手。

お年寄りの少し冷たい手。

やっぱり“手”は、その人の人生を物語っているんですね。





ゴールよりもっと遠く / 近藤史恵


赤城の目線で描かれた石尾物語パート3

相変わらず真っすぐで熱い想いを秘めたポーカーフェイス、石尾。

かっこよすぎます。

彼のように前だけを見続けることが出来たら……。

短くも相変わらずワクワクさせられる作品です。

『サクリファイス』を読んだ後だけに、少し心境は複雑ですが。

今回は、白石や伊庭の名前がでてきて、なんだか『サクリファイス』が懐かしく思えます。

(本当に名前だけですが(笑))

是非、『エデン』も読みたいものです。




楽園 / 湊かなえ


毬絵には、ぜひ母親と向き合いしっかりと話し合って欲しいものです。

双子の兄弟とはいえ、別の人間として生きるなど、きっと辛いだけでしょうから。

個人的には、亡くなったほうの雪絵の話ももっと知りたかったです。

何はともあれ、裕太はカッコイイ!!

裕太のように、大好きな人を包み込めるような男になりたいです。




作家的一週間 / 有川浩


これは、有川さんの実話……??

なかなか面白かったです。

なんだか有川さんらしい雰囲気が伝わってきました。

こんな人なのかな??

小説が読めなかったのは、少し残念ですが。




満願 / 米澤穂信


米澤さんのこういった作品、大好きです。

「一体、何が言いたい作品なんだろう?」と思いながら、たらたらと読み進めていくと、最後の最後に衝撃が走ります。

Story Seller』に収録されていた「玉野五十鈴の誉れ」もそうでしたが、背筋がゾッとする感覚。

いいですね。

何が何でも大切なものを守ろうとする人。

正しいかと訊かれると、肯定することは出来ないし、恐ろしいとも感じます。

しかし、ある種、人間味が溢れていて嫌いになることは出来ません。





555のコッペン / 佐藤友哉


伏線も解決も無い殺人事件。

人間って不思議な生き物です。

その人の心はその人にしかわからないもの。

普通って、いったい何なのでしょう?

今回は、謎解きよりも物語の流れを楽しんでいく作品のようです。

3から読んだ人にとっては、かなりきついかも。




片恋 / さだまさし


“さだまさし”と聞いて読む前は少し舐めていたのですが、良かったです。

宏彦の母親の言葉に心動かされました。

恋心とは不思議なもので、時にそれは人を“異常”にします。

(そもそも普通が何なのか判らないわけですがw)

時に本人や相手を苦しめることになります。

しかし、誰が悪いというわけでもなく……。

 実際、私も何度も苦しめられてきましたし。

厄介なものです。

ホント、みんな幸せになってしまえばいいのに。

世の中なかなか上手くはいかないものです。

 また、作中では事件現場においてカメラマンとしての正義と人としての正義の葛藤が描かれていますが、私はどちらの正義も正しいと考えています。

人の命を救う人、人の命に関わる情報を伝える人、どちら人も必要だから。

ただ、人の命を救うことを最優先に考えて欲しいとは思いますが。




Story Seller〈3〉 (新潮文庫)/著者不明
¥740
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 お風呂で本を読む人も多いらしく、



それに倣い試してみました。



湯船に浸かりながらの読書。



いいものです。



温かいし、面白いし、入り込めるし……



……



……



……熱い……。




はい、見事に上せました。。。