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基本的に、読んだ本の感想や日々、感じたことを書いています。
気軽に訪れてください。

文章を書くのが得意な方ではない為、表現が多少おかしかったり、実験的な書き方をする場合もありますが、どうか見逃してやってください。

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 夜中の三時に枕元の電話のベルが鳴る。

電話ボックスから、かけてくる相手はすみれ。

彼女は訊ねる「記号と象徴の違い」について。



独特の落ち着いた文章が、不思議な世界を作り上げる。

どこか寂しい、虚無感が内包された恋の物語。

彼らの恋は、温かくも決して実らない。

しかし、実りはしないものの彼らの間には絶対的な温かさが存在している。



 物語は、もう一つの世界の存在の可能性を語っている。

そこには、自分と全く同じ容姿をした全く違う人物がいるらしい。



 恋というものは、決して全て上手くいくとは限らない。

そんな中でも、このような男女の温かな関係(恋人同士ではなく親友以上の存在)も羨ましく微笑ましく思える。

物語全体を占める孤独感は、村上春樹さんの文章の特徴であり、また登場人物たちが抱えている心の闇だろう。

ミュウの観覧車のエピソードにはぞっとさせられた。




スプートニクの恋人 (講談社文庫)/村上 春樹
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 何でも屋で働くことになった主人公、健太郎。


様々な珍事件を通して、日々成長していく。




 初の山田悠介作品。


かなり奇妙な物語を書く印象があったのですが、意外とほんのり。


読んでいると、なんだかコミカルなアニメを見ているような感じになります。




お気に入りの話は『ゴミ屋敷』。


落ちが良かったです。


いや、個人的にはもっとガッツリ落としてもらっても良かったのですが。


若干、ホラーの要素が入っていて、やはりこの作家さんはこっち方面の話のほうが面白いのかもしれませんね。


(読んだことは無いのですが(笑))




それ以外の話は、なんだか安心して読み進められる内容でした。


是非、他の作品も読んでみたいです。




文章は少し淡白に感じ、そのお陰でさらさらとページが進みます。


続きの話も出ているようなので、少し日を置いて読もうと思います。




オール (角川文庫)/山田 悠介
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 本多孝好、三冊目。

恋愛短編集かと思いきや、やはりミステリーチックでした。

本多さんなら仕方ない()







FINE DAYS

 不思議な少女に関わる、奇妙な物語。

結局、主人公と安井の前に現れた彼女は何だったのでしょうか?

彼女が持つ不思議な力が作り出したもう一人の彼女なのか、それとも主人公と安井の心が生み出した幻想か。

真実がわからない為、正直、後味はあまりすっきりしません。

でも、そんな中に読者を惹きつける何かがある。

本多さんらしい作品です。

恋愛小説かと思って読んだら、ミステリーでした()




『イエスタデイズ』

 父親の悲しい恋物語。

どんな人にも、若く純粋な季節があるものです。

たとえそれが年老いて死にかけた父親でさえも。

輝いていたその時期の本人達に会うことが出来たなら、きっと心動かされるはず。

しかし、美しすぎる恋愛は、もう既に過去のもの。

未来を変えることなど、決して出来るはずも無く、ただただ悲しい物語。

夢を捨て、現実と向き合うようになった二人に、過去の美しさはありません。

真山さんは、以前のままで居て欲しかったです。




『眠りのための暖かな場所』

 終盤の展開がめちゃくちゃ怖かったです。

思いのままに人に不幸を与える力。

そんなものが人間に備わっていたら、みんな結城の姉のようになってしまうのかもしれませんね。

心残りは、結末がはっきりしないまま終わってしまったことです。

できれば、続きが知りたい。

それと、主人公が抱える過去の過ち。

それは仕方ない事だと思えます。

例え、誰かを蹴落としてでも、人は生きたいと思うもの。

きっとそれが人間のあるべき姿でしょう。

初めは悲しい立場の脇役かと思っていた立川明美は、意外にいい人物で大好きでした。

誰かの為に必死になれる女性って素敵です。







『シェード』

「恋をしましたか」

「ええ、もちろん」「それはもう、数え切れないくらいに」

その印象的な老婆の台詞。

本作、唯一の恋愛小説。

一人の人だけをずっと大切に愛し続けることができたなら、どんなに素晴らしいのだろう。

しかし、それは現実じゃない。

きっとそれは夢物語。

この長い人生の中、何人もの人と出会い別れていく。

たとえ、永遠の愛を誓ったとしても。

それが現実。

それ故に、人は苦しみながら愛を語り続ける。

苦しくも温かい、温かくも苦しい現実の恋愛を書き綴った物語。

FINE DAYS」の中では一番好きな作品です。









FINE DAYS (祥伝社文庫)/本多 孝好
 
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