アシッド・ジャズはロンドンのクラブシーンから生まれた。
 

”踊れるジャズ”
 

これがアシッド・ジャズのコンセプト。

 

アシッド・ジャズとは

従来のジャズにソウルやファンク、ヒップホップの要素を盛り込んだ音楽。
ただ、境界線が曖昧なのと、それらの音楽に溶け込み過ぎて、のちに消滅する。


まだよくわかんないよね。


分かりやすいのはヒットしたこれ。
Us3の「Cantaloop」(ビルボード9位、1993).

Hand on the Torch

 

ブルーノート・レーベルの音源をサンプリングしたヒップホップ。
でもこれはアシッド・ジャズの一部でしかない。



アシッド・ジャズのムーブメントは、
1980年からイギリスのクラブで始まり、
1985年にワーキング・ウイークが発表した「Working Nights」がその起源。

Working Nights (DELUXE EDITION)

 

 

 

その後、1988年にアシッド・ジャズ・レコーズというレーベルが設立され、本格的に世界に広がっていく。

(ここで、初めてアシッド・ジャズと命名された)

 

ジャズプレイヤー(忘れた)のステージに

「ACID」ってあったのから拝借しただけで、

言葉自体に特に意味はないみたい。


アシッド・ジャズ界で最大の成功者は、ジャミロクワイ。


彼らの音楽は聴いたことある人も多いと思うのでイメージしやすいかも。
彼らの音楽はアシッド・ジャズにソウルやファンクを加えたもの。

 

 

 

インコグニート

オールウエイズ・ゼア:ベスト・オブ・インコグニート

 

1980年早々から活躍する、アシッド・ジャズ界の重鎮。




しかしアシッド・ジャズを最初にメインストリームに押し上げたのは、
1990年に登場したブランニューヘヴィーズ。

 

アシッドジャズをより洗練されたものに変貌させた。


 

男性3人組に女性ボーカルの組み合わせ。
エンディア・ダペンポートが初代ボーカリストだったが、
彼女の脱退後はアルバムごとにボーカリストが入れ替わった。


1991年、「Never Stop」が全英43位、
ビルボードR&Bチャート3位となると、
世界中にアシッド・ジャズのムーブメントが巻き起こる。

 


1994年、「Brother Sister」が全英4位。

 

ブラザー・シスター


 

 

次作「Shelter」(全英5位、1997)では、
ボーカリストがシーダ・ギャレットに代わるものの、
曲もかける彼女が加わったことで、アルバム、シングルともヒット。
(彼女はマイケル・ジャクソンの「I Just Can't Stop Loving You」でデュエットした人)

 

Shelter

 

 

You Are The Univers(全英21位、1997)

 

Sometimes(全英11位、1997)

 

 

アシッド・ジャズのピークは、だいたい1997年ごろまで。

 

 

Surrender(全英78位、2005)

Allaboutthefunk

 

いい曲だと思うんだけど、

既にアシッド・ジャズが衰退しはじめていて、

このアルバムはセールス的に失敗に終わる。

 

トランク・ファンクーベスト・オブ・TBNHー

 

 

 

 

 

アシッド・ジャズ界の名ギタリスト

ロニー・ジョーダン。

マイルスのあの名曲をやってる。

 

「えっ、フュージョンと何が違うん?」

聞こえてきそうですね。

 

ね?

 

アシッド・ジャズとフュージョンの違いを見極めるのは難しい。


というのもアシッド・ジャズが盛り上がると、

フュージョン界がアシッド・ジャズ側に寄っていき、
最終的に境界線が曖昧になった。

しいて言えば、グルーブ感の違い。

 

そもそも、

マイルス・デイビスが

ジャズとロックを融合(フュージョン)させ

1969年に発明したのがフュージョンだから、

アシッド・ジャズとは親族みたいなもの。

 

In A Silent Way

イン・ア・サイレント・ウェイ

 

フュージョンが誕生した、

歴史的なアルバム。

まだマイルスが光り輝いていた時代。

 


アシッドジャズは様々なジャンルの音楽との親和性が強く、
ファンクやディスコ、

ヒップホップなどに広がり、
その広がり過ぎたことで、

それぞれとの境界線が曖昧になっていく。


1990年代の終わりになると、

ファットボーイスリムなど

今のEDMの流れにつながる
エレクトロダンスムーブメント

が起こり始めると、

アシッドジャズの衰退がはじまる。

衰退といっても、

他の音楽ジャンルに吸収・同化され
今は様々な音楽ジャンルが、

アシッド・ジャズの要素を取り込んだ

と言っていいかもしれない。



ところで
アシッドジャズは車のお供にも、

ジョギングのお供にも向いてる。
 

この曲はお薦め。

At Last

 

気持ちよく走れるよ!

さあ、外にくり出そう、この曲とともに。