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あらすじ


舞台は京都の外語大。ドイツ人の教授バッハマンは、アンネの日記より、1944年4月9日の暗誦課題を出す。教授はこの日を最も重要な一日と語るが、主人公である生徒、みか子はそれが理解できない。というのも、この日はゲシュタポ(ドイツ秘密警察)がアンネの潜む隠れ家の隠し扉のすぐ後ろまでやってきたものの、一命は取り留めたからである。


みか子は暗誦を何度も繰り返すが、何故かいつも同じところで絶句して(忘れて)しまう。それに対し尊敬する先輩の麗子は、「それがみか子の一番大事な言葉なんやよ 。それがスピーチの醍醐味なんよ。スピーチでは自分の一番大事な言葉に出会えるねん」と諭す。


その言葉とは、「今 、わたしが一番望むことは 、戦争が終わったらオランダ人になることです ! 」この言葉は根深い。アンネはアンネのままで、ユダヤ人のままでいることが一番であったはずだ。オランダ人になりたいと思ったのは、存在を許されないユダヤ人である、という自己に耐えられなかったからである。


一方のみか子は、乙女の世界に混じってはいるものの、真実を見ようとせず、異質のものを認めない彼女たちの世界に混じる自分に違和感を感じ始める、、、




感想
小説を読むのはえらく久しぶりでしたが、文体は平易で、スラスラ読み進めることができました。ただ、アンネの日記と、みか子の大学生活が対比された構成になっており、その構造を読み解くのが難しかったかも、これは自分が小説に慣れていないせいかな。
池上彰の「世界を変えた10冊」→「アンネの日記」→「乙女の告白」という順番で読み進めましたが、「乙女の告白」を読んで、ホロコーストがどんな影響を与えたのか、改めて考える機会になったのが良かったです。
以上