世の中に、所謂"シゴデキ"という者は存在する。


 その者は、仕事ができる上に周囲に優しいパターンもあるが、仕事はできるが周囲にも厳しいパターンが存在すると思われる。

 後者は完全なる人格者のように思われるが、前者は果たしてどうなのだろうか。


 仕事はできるが、周囲には厳しく、パワハラ等と刺されるパターン。これは果たして人格者と言えるのだろうか。


 「項羽と劉邦」に習う。

 項羽は、圧倒的な先頭的実力を備え、部下を従え、戦闘に挑む者であった。が故に、自分が絶対なのであり、弱者は駒でしかなかった。

 対して劉邦は、実力はなく、学もない。然しながら

 、人徳があった。"劉邦さんを助けなければ"と思われる人だったが故、優秀な人材が集まったと言え、故に劉邦は項羽との戦争に勝利したと言える。


 つまり、人生に於て何が必要なのかと言えば、実力ではないのだろう。寧ろ、出来なくて天然などと思われた方が得をするようなものだろう。

 寧ろ出来ない方が、周囲は助けたくなるものだ。


 高校の先生などを思い返してみて、出来すぎる(勉強を)先生の印象があるかと言えば、私はない。

 寧ろ、生徒に"これってどうやるんだ?"的な、ちょっと出来ないぐらいの先生の方が、生徒も先生を助けたい気持ちに駆られ、自発的に思考を始めるようなものだ。


 詰まるところ、周囲ができないことに愚痴を放つ"シゴデキ"などは不要ということだ。

 それよりかは、"シゴデキ"ではない、或いは"シゴデキではないことを装っている"人材こそが信頼され、組織を統一すべき人間なのであろうと言えると思われる。