岡倉天心『東洋の理想』からのメモ2 | 空・色・祭(tko_wtnbの日記)

われわれにおける芸術は、他所におけると同じく、われわれの国民文化の最高最貴なるものの表現である。それゆえ、これを理解せんがためには、儒教哲学の諸相、仏教精神が時々に掲示したさまざまの理想、つぎつぎに国民性の旗をかかげてきた大いなる政治上の循環、愛国的思想の中に映る詩の光芒と英雄的人物の影の反映、大衆の慟哭と、ならびに民族の哄笑の狂的とも見える陽気さの反響などを、一通り検討しなければならない。


岡倉天心『東洋の理想』