いい映画でした。
沈まぬ太陽
サラリーマンの正義を貫き筋を通そうとする一面、
周りの人間を蹴落としても出世、保身に走ろうとする一面
どちらも誰しもが持っている一面ですが、
それぞれを主人公恩地元とライバルの行天四郎で表現、
二人の対立軸が、物語への感情移入を促します。
「会社ってなんなんだ」
恩地が直面する会社や現代社会の不条理の一つ一つは、
サラリーマンである私自身の経験に照らし合わせて共感、
考えさせられる場面も多く、
もちろん映画のような派手な場面には遭遇してませんが
ラストシーンでは、
現代社会の闇の深さとそれに対して何もできない無力さに
憤りを覚え、うっすらと涙を浮かべておりました。
最後に行き着く先は、人類の誕生の地、母なる大地、
アフリカの大草原。
地平線に大きく浮かぶ、血のように真っ赤に染まる
沈まぬ太陽が
苛立ちや悩みの全てを洗い流してくれます。
弱肉強食の自然界が作り出す美しい映像との
コントラストが何とも言えず、たまりません。。
自分がケニアのサファリに行きたいと思い立ったのは、
何年か前に読んだ小説の影響だったのかもしれません。
来年は、絶対アフリカに行ってやろうと思っています。
沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)/山崎 豊子

¥620
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もう一つの側面が、腐敗した企業と御巣鷹山の凄惨な事故。
私自身、小学校低学年でしたが、
犠牲者の親族が身近にいたこともあり、
事故当時のニュースや報道がうっすらではありますが
記憶に残っています。
映画でリアルに再現された事故後の様子が、
薄れかけていた記憶を呼び戻されました。
犠牲になった方々の人生や家族のことを考えると
事故の一因でもある腐敗した企業組織に対し、
強く苛立ちを感じます。
特に歴史の長い大企業は
存続することが目的になってしまいがちです。
今一度、誰の為に会社が存在するのかという
根本的なところを
見つめ直して頂きたいと思います。
ちょうど
映画のモデル、JALが国のもとで再建に乗出しました。
この映画化には反対の圧力があったそうです。
緻密な下調べに基づいた作品とはいえ、
あくまでフィクションの小説ですから
誇張や一方的に会社組織を悪者にして表現している
部分があります。
JALや小説内で悪役に描かれている団体、個人が映画化に
反対するのはやむ終えないと思いますが、
再建を機に、
真にお客様の安全を第一に考えた企業に生まれ変わって
欲しいと強く思います。




