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TKドラゴンズのブログ

京都御室少年野球チーム TKドラゴンズのブログです。
TKドラゴンズは甲子園出場経験者の会長兼、監督が怪我のない野球にするために最新の練習方法を取り入れて楽しめる野球をしています。

いや~
しかし、良かったですね~
 
正直ほっとしました。
多分私が一番プレッシャーかかってました(笑)
 
6年生は最後の試合なんで、どうにか有終の美を飾らせてやりたいと思えば思うほど眠れぬ日々が続きました。
 
 
きぬかけ杯に入る前のベンチ首脳陣の心理状態が非常に面白いので少し解説してみます。
 
きぬかけ杯は一日で完結する大会です。
各チーム二試合を戦い、2連勝したチームが優勝なのです。
実は、これ意外と難しい。
要するにどのチームにエースを当てるか、どのチームを誰でたたきにいくかということなんです。
 
 
TKドラゴンズの目標は春夏連覇ですから優勝できるかできないかという二択でした。
一番の強敵はアカスポさんです。
部員100名はちょっとシャレになりません。
 
合宿のミーティングでエース加藤はアカスポを志願します。
彼の気持ちを尊重したいという思いで、今シーズンTKドラゴンズを引っ張ってきた加藤にどのチームに先発したいかを聞いた結果でした。
一回戦でも決勝戦でもアカスポなら加藤でいくことがTKでは決まっていました。
アカスポ以外なら1回戦でも決勝戦でも古賀でした。
アカスポ戦は4点以内、ルーキーズ戦は7点以内に抑えてくれれば勝てると踏んでいました。
室町戦は不気味でしたが、やはり7点以内なら大丈夫だろうと考えていました。
 
2連勝するには最適のローテーションだったと思います。
裏目に出れば2連敗というリスクはあったものの優勝できるかできないかという二択しかなかったので決めました。
どの試合にしても、もつれた場合は勝ち運を持っている細川、球速・制球力抜群の池本というダブルストッパーを投入できるという万全の体制を敷けたのも強みでした。
 
アカスポさんは夏の練習試合でTKに勝っているとは言え11-8。
アカスポのエースは8失点しています。
夏もそうでしたが、うちと戦うときは今まで対戦したことの無い投手をアカスポさんは当ててくるんです。
エースをTK以外に先発させて、TKにはデータの無い新たに育てた投手をぶつけて優勝を狙う作戦だったのかもしれません。
 
ルーキーズさんと室町さんは初戦にエースを先発させ決勝進出を狙っていたと思います。
 
各チーム様々な思惑の中、第10回きぬかけ杯の幕が開いたのです。
 
 
試合中の何気ないプレーの中にも、夏以降のTKドラゴンズの練習の成果がたくさん出ていました。
かなりレベルの高いプレーを選手たちはしていたんです。
みなさん、どれぐらいお分かりになったでしょうか?
 
では解説してみたいと思います。
 
 
・・・一回戦・・・
 
まず古賀です。
よく我慢してスピードを抑えた投球をしたと思います。
彼の特徴は速球ですから・・・
まぁ、2球ほど投げた全力投球が全てボールになったので、ある意味納得して投げていたとは思いますが(笑)
自分の長所を抑えて確実に勝ちに行くという私の意図を分かってくれていました。
 
 
本編では書いていませんでしたが、集中力の成長を感じさせたプレーがありました。
二回表、室町がノーアウト二三塁の場面で櫻井がサードゴロをファーストへ暴投しライトのファウルゾーンに送球が転がります。
カバーに入っていたライトの児島が二塁ベース上の加藤に送球し一塁を回っていた打者走者をアウトにします。
サードゴロが飛んだ瞬間に児島はファーストのカバーに走っています。
エラーの後に動くのか、エラーに備えて動くのかで大きく結果が違ってきます。
当たり前のプレーですが、当たり前に動くことでアウト一つを取っています。
児島に限らず守っている選手全員が一つのボールに反応し、何かしらの目的を持って動けているのは守備反応の完成形なのです。
プレー中に突っ立っている選手がいないのです。
これはどのチームも意外とできてないですよ。
(櫻井をかばうわけではないですが、この試合のファーストは4年生の池本でした。いつもの河野とは体のでかさが違うので、投げにくいのは事実だったと思います。)
 
 
この試合で一番練習の成果が表れていたのはこのプレーでしょう。
四回表、ノーアウト一二塁で6-4-3のダブルプレーをいとも簡単に決めています。
この一二塁の場面でキャッチャー河野は「内野中間」という声で内野に指示を出しています。
内野の中間守備を意味するのですが、ダブルプレーを狙う守備位置を指示していました。
 
この指示によりセカンド細川とショート加藤は定位置より2メートルほど前進し、セカンドベースまでの直線距離を縮めます。
打球はハーフライナー気味にショート加藤の正面に飛びました。
難しいバウンドでしたが加藤は一瞬のグラブコントロールで捕球します。
ダブルプレーの練習を積んでいないチームなら、打球の速さからしてそのまま加藤がセカンドベースを踏んで一塁に送球するケースでしょう。
 
しかし、、、このチームは一塁送球と同じぐらいダブルプレーの練習を積んでいたのです。
なぜなら、内野のポジショニングの考え方を指導する上で二遊間(セカンド・ショート)のダブルプレーは最適の教材なのです。
「何のためにこの位置に守るのか」という知識を持っていないと二遊間は成長しませんし守っていても面白くないんです。
 
「練習を積んできたこのワンプレーを楽しみたい」と彼らは思ったはずです。
セカンドベースにはセカンド細川がすでに入っています。
加藤がトス。
細川がファースト池本に送球。
6-4-3のダブルプレーが完成です。
 
本編でも書いたように、6-4-3のダブルプレーを少年野球ではなかなか見ることはありません。
非常にレベルの高いプレーだったと思います。
一年間で、自分たちで判断し選択したプレーを実行できる選手たちに育っていました。
 
 
・・・決勝戦・・・
 
決勝戦は本編でも書いたようにしびれるプレーの連続でした。
 
まずは何と言っても加藤の投球内容でしょう。
夏前から両サイドのコントロールを磨いてきました。
球速・球威は昨年とは見違えるほど上がっているものの、速さで抑えるタイプではありません。
アウトコース、インコースを丁寧に投げ分け、打者を打ち取ることに専念させました。
緩急も練習しましたが、変化球が禁じられている少年野球では球速の変化を追求するのは意味がないと判断し、より一層両サイドのコントロールを重視していました。
まぁ、多少の緩急は勝手に付けていたようですが・・・
 
古賀の要求するコースに面白いようにコントロールされていました。
きわどすぎて球審に「ボール」と判定される場面もありましたが、球審にしてみれば判定しにくいきわどいボールばかりだったと思います。
 
この加藤の絶妙のコントロールと古賀のリードでアカスポを完封してしまうのです。
 
 
決勝戦もキャッチャーからのポジショニング指示は的確でした。
四回表、先頭の3番打者がヒットで出塁します。
その後ワンアウト三塁となって5番打者が打席に入ります。
このバッターは試合前に私が古賀に伝えていた二人の「要注意バッター」の一人でした。
 
5-0でTKがリードしていました。
 
この場面で古賀が内野手に指示したのは中間守備。
これ、古賀が本当に深く考えて指示していたらすごいです・・・
この場面、もしも指示が違っていたら私は訂正していたと思いますが、私の選択も中間守備でした。
 
一回戦で中間守備はダブルプレー狙いのポジショニングだと言いました。
この場面、ダブルプレーは取れません。
選択するのであれば、「前進」か「オンライン」です。
「前進」とは内野ゴロでサードランナーがホームに走った場合、必ず本塁でアウトにできる位置を意味します。
「オンライン」とは内野ゴロが飛んだ場合、その打球の速さやサードランナーの動きによって本塁へも一塁へも送球してアウトにできる位置を意味しています。
しかし、要注意と指示が出ている打者である以上、強い打球を打たれる可能性が高いわけです。
従って「前進」はヒットの確立を上げてしまうため選択肢から外れます。
 
1点取られても一つのアウトを取りに行くことが正解なのです。
 
それなら定位置で良いじゃないですか。
しかし、打球が早いのなら「中間」が「オンライン」の役割を果たします。
「中間」と「オンライン」の二遊間がスタンバイする位置の違いは約2メートル。
強いライナー性の打球なら本塁でも一塁でもアウトにできます。
「強いゴロなら本塁でも刺せる。しかし、深めに守ってヒットも防ぐ。」という攻撃的かつ柔軟な守備位置を選択したのです。
おそらく古賀は「オンライン」のつもりで指示を出しています。
 
しかし、点差が7点差以上なら定位置です。
理由は・・・考えてみてください。
 
夏以降、「定位置」「中間」「オンライン」「前進」の最大幅6メートルというポジショニングの考え方をキャッチャーと二遊間に叩き込んできました。
使いたくなりますよ、知ってしまったら。
ポジショニングの距離の意味を理解したなんとも言えない良いフォーメーションでした。
 
結局、この打者を加藤が三振に打ち取りましたが・・・
 
 
 
副音声後編に続く・・・