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風のささやき

昔聞いた話、周りの不可思議な話等々書いていきます

当ブログにお越し頂きありがとうございます🤲


久々に思い出した事を一つ

昔、昔の話です。

 


私が某病院に勤務してた頃の30代の女性の話です。

仮にAさんとしておきます。

 

Aさんは遠方に住んでいる農家のお嫁さんでした。

 当時の地方の農家のお嫁さんの地位は低く

少々体の状態が悪くても中々病院に受診することは

許されないような状況だったと記憶しています。

 

Aさんが病院に来院した時には既に手遅れの状態であり、

それまでは幼い子供を抱えての家事、育児、農作業等など

辛い毎日を過ごされていたのではないでしょうか。

 

小さな子供を残しての入院は後ろ髪を引かれるほど

辛かった事でしょう。

 

記憶しているのは肝臓、胆嚢関係の疾患だったようで

入院した時には既に遅く、程なくして昏睡状態に陥り

治療の甲斐なく数日して旅立たれました。

 

その患者さんが居た病室は二人部屋で

もう一人同室の患者さん(Bさん)がおられたんです。

 

そのBさんの後日談ですが

Aさんが亡くなる当日?(前日だったか記憶が曖昧)の夕方のこと

それまで昏睡状態だったAさんが突然起き上がり

なんて気持ちがいいのと言って病室内を歩き回ったり

病室横のベランダに出たりと

それまでの状態からは考えられない行動をされていたので、Bさんは驚いたそうです。

 

その後ベッドに横になりそのまま元の昏睡状態に戻り

再び意識を取り戻すことはなかったと聞きました。

 

昏睡状態から目覚めたあの時間は

この世を離れた魂が

天上の世界を行き来していたのでしょうか。

Aさんには安らかで平穏な世界が見えていたのでしょうか。


今でも心に残っている不思議な話です。