文系&理系の選択 from 両刀使い税理士 | 元エンジニア税理士のブログ

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私は「両刀使い税理士」です(笑)


私の経歴をざっくり言います。

理系(工学研究科)文系(経済学研究科)の両方で

修士論文を書き、両方で仕事(メーカーのエンジ

ニア&会計事務所職員と税理士)をそれぞれ約10年 ずつ経験しています。

(理系文系の順に進んだのでその順に書きました)


我ながら、なかなか変わった人だと思います。


そんな私が、理系文系の選択に悩んでいる人に

実体験から比較した考察を述べてみますので

参考になればと思います。


その前にもう少し経歴をおつたえします。


私は工学修士&経済学修士を持っています。

修士はマスターとも言われます。


ちなみに、修士(大学院博士前期課程:マスター

コース)の上の課程が

博士(大学院博士後期課程:ドクターコース)で、

こちらはドクターと言います。

いわゆる「博士」です。


修士(マスター)2つなんかより、はるかに博士

(ドクター)1つの方が取得が大変で名誉あること

です。

むしろ、私は勝手に「ダブルマスター」と

言っていますが、何も価値はありません。

ドラクエⅢのように戦士+魔法使いで賢者に

なれるというような特典もありません。

それに対して、ドクターは教授への道が開けます。


私の経歴は

理系:16才、高校入学から推薦選抜の理数コース

   で入学。

   その後は大学は工学部、大学院はそのまま

   工学研究科で25才になる年でメーカーに

   エンジニアとして就職しました。

   その後、35才まで2社でエンジニアをして

   いました。

   →理系20年、うち理系の仕事が10年です。

文系:35才で会計業界に飛び込み、45才で

   税理士になりました。

   →文系は仕事で10年です。


そんな私が、それぞれで肌で感じた違いに

スポットを当ててみます。

よくある違いはあえて触れません。

あくまで大多数であるサラリーマンを前提に

しています。

起業などをした場合は全く別世界です。


【大まかな価値観】

文系:偉い人が言うこと、もしくは大多数の同調を得た人が正しい

理系:真実を突き止め、自然の摂理で証明できる

正解を言った人が正しくて偉い


理系は自然科学を相手にしています。

物理や数学などは自然科学を解明するためのもの

です。

自然科学は絶対的な事実があり、そのメカニズム

や原理を究明した人が正解であり、偉いという

感覚になります。

天才科学者と呼ばれる人が「地球は平らで止まっ

ていて太陽や星が地球の回りを回っている」

といい、

ただの若者が「地球は丸く、太陽の回りを回っ

ている」と言ったとします。


いつか、どこかで事実はわかることです。

どちらが正解かはっきりします。

いや、させる(立証する)のも仕事です。


それに対して、文系(政治や経済)の世界は正解が

確定していないことが多いです。

法律という決定打を持つものも完全ではなく

あいまいにかかれています。

「法令解釈」という言葉にそれが表れています。


今、旬な議論は「安倍元総理に16億円の国葬を

することはどうなのか」や「事業所得の線引きの

300万円はいかがなものか」とかです。

どちらも絶対的な正解はないはずです。

いろいろな事実や意見を集めて最もらしく話が

出来た人、多数の同調が得られた人が正しい、

勝ちみたいな感じです。

ただ、これはほぼ同レベルの権力がある人同士の

勝ち負けです。

権力がない人がまっとうなことを言っても、

現実は権力を持った人が決めた通りになります。 つまり、意見を通そうとすると着実に結果を

積み重ねて立場を得ることが必要です。

営業職なども事実うんぬんでの証明でなく、

説得力や心情などで信用を得られるかなどが

決め手ですよね。

理系スタートで理系に基盤がある私にとっては

事実を突き詰めるより難しく感じます。


理系の世界では、結果が出る以上、自然科学

として正しい方向に物事が進みます

ワクチンの効果の事実は別として、

例えばですが、ものすごく権威のある人が

「ワクチンは有害で効果がない」と言い続けた

としても、「受けた人と受けていない人で

明らかに発症率が違う」というデータが出れば、

世の中はそちらに動きます。


ワクチンは効果がないと言った上司が居ても、

平社員でも効果があるというデータを取り、

それを立証できれば会社内でもそちらに

動くはずです。


それに対して、「国葬は○○なので止めるべきです」とものすごく理路整然と新米の議員が言った

ところでどうでしょうか?

または、国民の大半の意見を得たところで

どうでしょうか?

権威ある人が決めた通りになるはずです。


「国民の何割以上が反対している」というデータ

に決定力はありません。

「ワクチンを受けた人の何割が軽傷だった」は

決定力がありますよね。


また、理系でしか得られなかった仕事の手応えが

あります。

日々、苦労を続けて望んでいた結果になった

ときの喜び、そしていろいろと悩んだ上で

これならうまく行くという発想がひらめいた時

には鳥肌が立ちます。

ノーベル賞のような大それたことではなくても

自分の発想がこれまでの不可能を可能にする

そう感じたときに自然に出る鳥肌は何物にも

変えられない快感です。

あれを味わえたのは本当に幸せです。


そして、文系職では

一年に一回しかない税理士試験に万全の準備で

望み、絶対合格のためにはミスは許されない、

といったプレッシャーから来る武者震い

これは快感ではありませんが、他では経験

できなかったものです。 


ただ、共通する点としては、どちらも

今までの限界を超えようと全力で挑んでこそ

得られるものだったと思います。


堅い締めくくりになりますが

趣味や娯楽では得られない

「仕事で得られる喜び・生きがい」

それは紆余曲折して全力で挑んで達成できた

ときの快感だと思います。


そんな場を1人でも多くの人に味わってほしいと

思います。

進路選択、職業選択の自由を生かしてほしいと

思います。


最後に一点追記します。

日本の社会では、企業で上に立つ人は文系出身

の人が大多数です。

平均年収も文系の方が高いというデータも

あります。 


何を優先させるか、それも自由ですね。