今回、ハビットソフトが制作、9月27日発売のMD版「シティコネクション」を開発するにあたり、私は「デバッグ」と「監修」を担当させていただきました。
https://www.gameimpact.info/cityconnectionmd/
まずその前にシティコネクションとの出会いは1985年7月か8月頃だったと思います。
私が中学生だったころ、その日、ゲーセンに行き、他社の「ハイウェイジャンパー」をプレイしに行きました。
ですが残念ながら撤去されておりました。一通り、他にプレイしたいゲームがないか探していたところ、軽快な音楽と効果音が鳴ってるゲームを見つけました。それが「シティコネクション」と私の出会いでした。
きれいなグラフィックが第一印象でした。早速、100円を入れてプレイしました。
すごく操作が重くて思うように動かせず、2分で終わってしまいました。
大抵の人なら「もう二度とやるか」と思ったかも知れません。私はなぜかBGMとグラフィックに魅力を感じました。
その後、ゲーセンに通い、同年9月にファミコンカセットも購入してシティコネクションとの付き合いが始まりました。
プレイしているうちに隠れキャラ、隠しフィーチャーが存在することを知り、更に楽しみが増えました。
そしてパトカーなどの敵キャラの動きも分かり、ハイスコアまで取れるほどになりました。
隠れキャラについては全部は見つけられず公表済みの6個だけ見つけました。
毎回毎回、ゲーセンに行ってお金使うのもアレだな・・・と思い、基板屋さんから在庫リストを取り寄せるも、高校生の私には万単位のお金は持っておらず、基板購入を泣く泣く諦めました。
数年後、社会人になりボーナスがもらえたので基板を購入し、毎日プレイすることになりました。
その後、時は流れ、時代は平成後半。プレステ4、Switchでアーケードアーカイブスが発売され、どちらを買うか悩んだ末、Switch本体を購入しました。
早速プレイしてみました。途中セーブ機能が搭載されていることに気づきました。
このゲーム、あることをすると自機が半永久的に増えるのです。
平均1時間くらいですが、長いと3時間はゲームオーバーになりません。
(ここまで来るとパトカーも逆走車のみになる)
私は途中セーブ機能を上手く利用して点数を上げ、アケアカ版の「カウンターストップ(カンスト)」の達成予告宣言をツイッターでツイートしました。
これは私にとって未知の世界でした。私の知っている限りでは誰もカンストは成し遂げてないと思われます。
誰もやらないこと、やりそうもないことをやるのが私のやりたい「目標」なので。
前置きが長くなってしまいましたが、本題はここからです。
私自身、いろいろありまして、カンストを成功させたら目的を達したということでツイッターを辞めるつもりでいました。
そのカンストを達成すべくプレイしていたところ、ゲームインパクトさんからMD版開発のお声がかかりました。
このゲームに詳しい私に開発者の1人としてデバッグと監修をお願いしたいとのことでした。
ゲーム開発の仕事は実戦では今回が初めてでした。
「MDでこのゲームが出来ると分かったら多くの人が喜ぶに違いない。こんな私でお役に立てるなら喜んで」
と引き受けた次第です。
実際の私の仕事は、送られてきた開発バージョンROMでプレイし、自機の操作性、パトカーの挙動、猫やタケノコの出現パターン、当たり判定などを調べ、アーケード版と相違しているところなどがあれば連絡して修正してもらう・・・。そういう役割でした。
アーケードを忠実に移植するといってもアーケードそのまんま移植では、クセのあるアーケードの操作性では満足するユーザーはいないと思うので、開発者の方と話し合ってファミコン版に近い操作性を再現していただきました。
オプション設定の方も、ボタン配置(私はジャンプとオイルが逆になるだけでもダメなので)、クレジット数、自機数、オイル数、ゲーム難易度、コンティニューモード、そして塗った時の路面の色の提案も出しました。
私自身もこだわりがあったので、プログラマーの方への注文がちょっと多かったかな、と思っております。
でもそれだけ後悔のない作品にしたかったのと、ゲーマーの方々が「プレイして良かった」と喜ぶ顔が見たいので、妥協を許さず完璧に近いものを目指しました。
それと同時に85年当時から噂されていた残り6個(全12個)の「隠しフィーチャー」もアケアカで探しました。しかし長年プレイしている私の力でも見つけられず、隠しフィーチャーなしで出しましょうかという話になりかけていたところ、ツイッターがバズッたのか、シティコネクションの基板を解析しているという方(ホームページあり)の耳に入り、隠しフィーチャーの情報が公表され、早速私たちで検証に入らせていただいたところ、実際に存在したことを確認しました。
この隠しフィーチャーもちゃんとMD版に入れます。まさに奇蹟につぐ奇蹟が起こったのです。
今回は私にとって人生最初で最後の大プロジェクトだと思っております。
自分の好きな深い思い入れのあるゲーム。まさかそのゲームを遊ぶ立場から、作る立場になるとは誰が予想したことでしょうか。
実際、情報が解禁になり発表されたことで多くの方々から私が開発者の1人ということで感謝され、認められ、私も自分の力が役に立てて、とても嬉しいです。
特に関係者の方々からは、
「飛竜さんがいなかったら、このゲームはこんなに早くは完成出来なかった」
「シティコネクションに詳しい飛竜さんがいて心強かったです」
とお礼の言葉をいただきました。
むしろ、お礼を言いたいのは私の方です。プライベートの話になりますが、おかげさまで信頼関係も戻りましたし、ゲーム開発者としての「実績」「経歴」も残せました。この仕事に誇りを持てました。本当にありがとうございます。なお、「X(ツイッター)」は続けさせていただきます。
長くなってしまいましたが、MD『シティコネクション』は9月27日発売です。発売をお楽しみに。
※シティコネクションMDは株式会社シティコネクションのライセンス商品です。
