市など自治体が必要以上の費用をかけて公共事業を行ったり、土地の買収を行った時、住民は損害賠償を首長に行うことができます。
実際に、裁判が行われ、一審では首長に何億円もの損害賠償を命じる判決が出たことも何度もあります。
しかし、議会が首長への損害賠償請求権を放棄する議決を行って、損害賠償をできなくさせることが何度も行われてきたため、実際に市長が市へ損害賠償をすることはありませんでした。
また、請求権がなくなったことが根拠となって一審で賠償命令が出ても二審で住民の請求が棄却されることが頻発していました。
このことを無効とする訴訟が起こされ今日、議会の議決を無効とする判決が出されました。
以下、朝日新聞の報道です。
住民訴訟で自治体の首長側が賠償を命じられても、議会が首長への請求を放棄してしまう「帳消し」が各地で相次いでいる問題で、東京高裁は24日、栃木県さくら市の公金支出訴訟の控訴審判決で、「帳消し」の市議会議決を無効とする判断を示した。房村精一裁判長は「議決権の乱用」と指摘し、議会の姿勢を「三権分立の趣旨に反する」と批判した。
自治体議会による「帳消し」をめぐっては、これまで一審で勝訴した住民側が議決によって逆転敗訴するケースが続いてきた。しかし、大阪高裁が11月、神戸市の補助金をめぐる訴訟で「議決権の乱用」とする判断を示したことから、この日の東京高裁の判決も注目されていた。
訴訟は、合併してさくら市になる前の旧氏家町が購入した浄水場の用地代が周辺価格と比べて高すぎるとして住民が起こした。2008年12月の宇都宮地裁判決は住民側の主張を認め、当時町長だった前市長に約1億2千万円を請求するよう市に命令。これを不服として市が控訴した。
市議会は、控訴審判決が言い渡される直前の今年9月、前市長への賠償請求権を「放棄する」と議決。この議決の是非が判決の焦点となった。
房村裁判長は一審と同様、前市長が用地を不当に高い価格で買収したことを認定した。そのうえで、市議会の議決について「高裁で(一審と)同様の認定がなされることを阻止するために決議された」と判断。「裁判所の判断より、議会の判断を優先させようとするもので三権分立の趣旨に反する」と述べた。
さらに、議会による請求権放棄が地方自治法で認められていることに触れ、「同法は裁判所の認定判断を覆す目的のために権利放棄の議決が利用されることを予想・認容していない」との法解釈を明示。議決は無効と結論づけ、市側の控訴を棄却した。(浦野直樹)
今まで市長がどれだけ無駄遣いをして市に損害をあたえても何も追求されませんでした。仮に裁判を起こされても議会が救済をしてきました。
しかし、この判決はそれを許さないというものでした。必要以上の税金を投入する政治を行うことへの歯止めになるきっかけになるでしょう。
今までと異なる、当たり前に民間並みのコストで市政を運営していく、その流れは宇陀市でも行っていかなければなりません。
この判決を政治家は危機感を持って受け止めなければなりません。