前回に引き続きジムロジャーズは日本を投資対象から外しているわけでもないし、これからの日本の投資先として可能性を秘めている分野があるという。それが観光、農業、教育だという。
1.インバウンド投資はまだまだ伸びる
インバウンド投資とは訪日外国人数の増加の恩恵を受けることができるビジネスや資産への投資のことをいう。「今後日本において投資すべき産業は何だろう」と考えたときにツーリズム(観光業)を真っ先にあげている。個人的には、日本のツーリズムー観光、ホテルや古民家に投資したいと思っている。日本は素晴らしい国で、名所もおびただしい数がある。さらに、日本人は何をやっても非常に質が高い。だから多くの人を惹きつける。近隣諸国、特に中国人にとっては権力的な観光地だ。中国の人口は日本の約11倍であり、旅行先としてまずあげられるだろう。ベトナムも約9400万人を擁しているが、その多くも日本に行きたがっている。ツーリズムは東京オリンピックが終わると落ち込むのではないか、と危惧する方もいるだろう。確かにほとんどの国ではそうだ。オリンピックに向かって伸びていき、終わると落ちる。しかし、日本の場合はそこまで落ちないと彼は思っている。日本経済の規模が大きいからだ。日本はずっと、自ら扉を閉ざしていた。10年前でさえも、ほとんどの旅行客にとって日本は旅先の候補の中に入っていなかった。物価が高く、外国人に嫌われていた。
2.農業分野は可能性の山
農業には、地域を問わず世界各地で明るい未来が開けていると言える。今、日本には農業をする人がいない。日本の農業従事者の平均年齢は、約66歳という高齢だ。担い手さえ見つければ、日本の農業には明るい未来が持っている。競争がない業界だからだ。
日本の農業の問題は、政府に保護され過ぎているという点にある。政治家が農民から票を得るために保護しているからに他ならない。