北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)第1書記は、義理の叔父であり、後見人とされてきた張成沢(チャンソンテク)氏を処刑することで、自らの「唯一指導体系」に挑む者は誰であろうと絶対に許さないという意思を、内外に鮮明に示した。
張氏の処刑を伝える北朝鮮メディアは、張氏が「政権への野心」に狂ってクーデターを起こそうとしたと糾弾。「党と国家、軍隊と人民は金日成(キムイルソン)、金正日(キムジョンイル)、金正恩同志以外は誰も知らな い」と強調した。
張氏は2011年12月に金正日総書記が死去した直後から、若い正恩氏を支える形で事実上のナンバー2となった。正恩氏の意向に異議を唱えることもあったとされ、正恩氏はその権力の肥大化を恐れていたとみられる。北朝鮮では金日成主席、金総書記の時代も、権力を持ちすぎた者は失脚・粛清の憂き目に遭ってきた。
北朝鮮は17日、金総書記の死去から2年の節目を迎える。その前に、権力者は「金王朝」の後継者以外にはありえないことをナンバー2の処刑で示し、正恩体制を名実ともに確立しようとしたとみられる。
今後、張氏に連なる人脈の大規模な解任・粛清が進み、正恩氏の「絶対権力」に対する思想教育がより徹底され、忠誠競争も激化するだろう。北朝鮮関係筋の間では「国内的には波乱要素がなくなり、より安定する」との見方があるが、独裁権力の強化がもたらす様々な副作用を憂慮する声も絶えない。