前回の記事では、身近な人がうつ病になった場合の9つの対処法のうち、まずは4つをお届けしました。

今回は、残りの5つ。5. 小さな目標に専念させる、6. うつ病に関する本を読む、7. 地域のサービスを利用する、8. 病院に行くように勧める、9. 注意を払うです。

なお、前回と同様、文中に引用したコメントは、ノースウエスタン大学ファインバーク医学校のジャッキー・ゴラン博士のものです。

■5. 小さな目標に専念させる

うつ病の人はときに「なぜじゃまをする? 今日はベッドから起き上がりたくないんだ」などと言うことがあります。一体どのように対処すればいいのでしょうか。

「うつ病の人は現実逃避したくなったり、受け身になったりすることがありますが、何か活動をして小さな達成感を重ねることで、この症状は軽減できます」

日々の活動でどんなに小さなことでも何かを達成したら褒めてあげましょう。たとえば、ベッドから起き上がるといった簡単なことでもいいのです。

■6. うつ病に関する本を読む

うつ病に関する本は、情報源が信頼できるものであればとても役に立ちます。いろいろな治療法について知ることができるのも本の利点です。

「ブログは情報源が信頼できると確信できない限りリスキーですね」

最近は、インターネット上でもうつ病に関する様々な情報を入手できますが、なかには真偽性が怪しいものもあります。その点、書籍なら誰が書いたのかが明確なので、ネット情報だけに頼らず書籍にも目を通すことは非常に重要です。

■7. 地域のサービスを利用する

お住まいの地域の公共サービスを利用しましょう。各地域にある精神保健福祉センター(精神医療センター)では、うつ病に関する相談や情報提供などを行っている場合があります。

その他、地方公共団体のホームページなどで、地域でどのようなサービスがあるかぜひ調べてください。

うつ病の人のなかには、自分がうつ病であることを認識していない人もいます。治療を早く受けないと、症状はどんどん悪化し、慢性化することさえあることを彼に伝えましょう。

彼が病院に行きたがらなかったり、そもそもどこの病院に行けばいいのかわからなかったりする場合には、まずは公共サービスを利用して相談したり、病院に関する情報提供を受けたりすることから始めるのもいいかもしれません。

■8. 病院に行くように勧める

うつ病の人には病院に行くように促してください。薬物治療だけでなく、認知行動療法などもあります。

うつ病の人は何事においても意欲が低下しているので、周囲の人が積極的に近くの病院の評判や治療方針について情報を集めるのもいいですね。

■9. 注意を払う

愛する人が過去にうつ病を経験したことがある場合、その人が人生の危機に直面していないかどうか注意を払いましょう。

別居や離婚、失業や家族の死、その他深刻なストレスによって情緒的に不安定な場合には、彼を支える心の準備が必要です。

うつ病は、一度快復してもまたふとしたきっかけで再発するおそれがあります。うつ病経験者が何か不幸な出来事に直面した場合、周囲の人はその心身の状況を慎重に見守ってください。
厚生労働省が3年ごとに実施している「患者調査」によれば、うつ病の患者数は平成20年には100万人を突破。12年間で2.4倍に増加しているそうです。(※1)

うつ病は、患者数としては女性の比率が高いものの、症状としては男性は深刻化しやすく、自殺のリスクは男性のほうが高いといわれています。

うつ病の患者に対しては、適切な医学的治療と周囲のサポートが不可欠です。そこで、もしあなたの身近な大切な人がうつ病になったらどう対処すべきか、アメリカの健康専門ニュースサイト『Health.Com』を参考に、9つのアドバイスをお届けします。(※2)

【前編】ではまず、
1. 治療が必要だと理解する、2. 治療を後押しする、3. 症状についてよく話し合う、4. コンタクトを取り続けるの4つをご紹介します。

なお、文中に引用したコメントは、ノースウエスタン大学ファインバーク医学校のジャッキー・ゴラン博士のものです。

■1. 治療が必要だと理解する

うつ病は医学的治療が必要とされる健康上の問題です。家族や友人、恋人などが話を聞いたり支援したりするのは大事ですが、それだけでは不十分でしょう。

このことを覚えておけば、うつ病の人に苛立ったり、失望したりするのを防ぐことができます。どんなに頑張っても、あなたがうつ病の“治療”をすることはできないのですから。

「うつ病は眠れば治るものではなく、治療が必要です。周囲の人は患者を気にかけたり支えたりすることはできますが、それで問題が解決するわけではありません」

■2. 治療の後押しをする

うつ病の人のためにできる最善のことは、治療のサポートです。うつ病の友人や恋人に、うつ病は医学上の問題で、放置しても治らないことを伝えてください。

「誰かが足を骨折したら病院に連れていくように、うつ病の人も医学的治療や精神医学的サポートが必要です」

うつ病の人は、なかなか病院に足を運びたがらないことがあります。その場合、周囲の人が通院の後押しをしてあげるべきでしょう。

■3. 症状についてよく話し合う

うつ病の人には、あなたや周囲の人が気にかけていて、いつでもサポートできる状態であることを伝えましょう。病院に連れていくことを申し出るのもいいですね。また、もし彼が内面についてあなたに話したがっているのなら、気を付けて聞くべきことがあります。

「これは自殺のリスクを軽減します。絶望感や厭世感の兆候がないか慎重に耳を傾けてください。もし、“これはちょっと危ないな”と感じたら医療機関に電話したり、すぐに病院に連れて行ったりするのもためらってはなりません」

■4. コンタクトを取り続ける

うつ病の人には電話したり、ちょっと顔を見せたり、日々の活動に誘ったりするべきです。彼は「周りの人のじゃまになりたくない」と感じて、孤独感を募らせていることがあります。

うつ病の人に関わり、支えるにおいては細心の注意が必要です。

「達成感ややりがい、喜びが感じられる活動は、うつ病の改善に直接役立ちます。その人の興味がある活動を選ぶといいでしょう」

ただし、うつ病の人に何かをやらせても、すぐには興味を示さないことがあることも心にとどめておいてください。

運動したり、十分な栄養や睡眠をとるのも、もちろん症状の改善に役立ちます。

いかがでしたか? 冒頭でもお伝えしたように、うつ病対策としては、医学的治療と周囲のサポートの両方が不可欠です。

もちろん家族や恋人など身近な人間だからこそできること、やるべきこともありますが、一方で、身内だけで症状を抱え込んでしまうと事態が深刻化してしまうケースもあります。

あなたの大切な人がうつ病になったら、まずは医療機関での治療を受けさせることが重要。その治療がうまくいくためにも、周囲の人間が適切にサポートする必要がありますね。
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