スーパー・ソウルフル・ミュージカル 『ウィズ~オズの魔法使い~』 梅田彩佳 | AKB48 LIFE

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3/22(日)13:30開演@東京国際フォーラムC

行ってきました。ウィズ。東京公演の千秋楽で梅ちゃん出演日。

率直な感想は...。やっぱ、宮本亜門は「天才」です。日本が世界に誇る、天才演出家です。

演出家はゼロからモノを作り出すクリエイターではない。1あるものを100にも1,000に膨らませるプロデュサーなのです。

その根本を基礎にして、演出家として最大限の仕事をするプロフェッショナル中のプロフェッショナル。

単純明快でいて、人物をエンターテイメントに昇華
物語は単純明快でただ単に楽しくワクワクするエンタメというより遊園地。そのワクワク感を演出がリードするのではなく、演者の内側からこれでもか!と捻り出させる。

全キャスト(出演者)、そうバックダンサーを含めて。登場人物全員の内側からエンタメ魂を引きずり出させる。

そこに舞台監督や演出家の顔は一切覗かせない!素晴らしい!監督や演出家の理念や顔が見え隠れして「どうだ!深いだろ?!」と言わんばかりの、自慰行為的な舞台や映画がはびこる日本のエンタメで宮本亜門の舞台は一服の清涼剤だ!

そうなよ、エンターテイメントはまずは単純に「わぁースゴイ」っと誰もが楽しめなきゃ、楽しませなきゃダメなんだよ。

そのことを改めて示してくれたのが今回のウィズだと思う。

「単純な勧善懲悪やパフォだけじゃなく、もっと深い物語性をがほしいなぁ」って感じる舞台かもしれない。このウィズは。でもね、それを超える出演者の「観客をただただ楽しめさせたい!」というパワーがビシバシ伝わってくるんだよ。

もう、それだけで十分なんだよ。

役柄の背景とか、演じ方とか、真理とか、それを演じる描写とか...云々。そんなものは忘れた。どうでも良くなった。

素の梅ちゃんの魂の叫びを聞け!そして、感じろ!
正直、百戦錬磨の俳優陣に比べれば、梅ちゃんの演技は拙いかもしれない...。でも、最後の本当に公演の最終盤:

主役のドロシー(梅ちゃん)が様々な困難や出会いや分かれをして、やっと家に帰れる手法を教えてもらい、靴の踵を3回叩き、家に帰るクライマックスのシーンはただただ、胸がいっぱいになるんだよ。

ほんの1,2分のクライマックスシーンなのだが、ドロシーになりきっている梅田彩佳ではなく、素の梅田彩佳の喜びと幸せが1500人超の観客全員に届く瞬間がやってくる。

私を観てくれてありがとう。私はこんなにも幸せです。みなさんにも、この幸せが届いていますか?そして、楽しんでくれていますか?

と一人一人を梅ちゃんが抱きしめて囁くようにに感じる。演者と観客を超えて、人と人が単純に今を楽しんでいる空気が会場全体を覆う。

これが、宮本亜門が常々言う「全員がハッピーにさせる舞台しよう」ということなんだろう。

今日、この会場に訪れた人、全てがハッピーになれたはずだ。そう、一瞬で能天気になれる。


とにかく、機会があるなら、この舞台は観るべし。単純にエンタメとして面白いし、観終わった後にスカッとする。ただ、深さはまったくない。だだっ広い、能天気さがあるだけ。たまに、イイじゃないか、アホみたいな能天気な日があっても。