紅の薄着を纏い
薄暗い部屋で
誰のものでもない誰かを待つ

 

入ってきた誰かに微笑んで

愛を囁きあいながら

肌を重ねる

 

紅を剥ぎ取られ

今度は朱を散らされて

最奥を突かれる度に

甘い声で先を促す

 

名前も知らない誰かの

一晩だけの恋人

 

明日になれば

違う誰かに愛を囁き

朱を散らされる

 

消えることのない

肌に残る朱の花びら

 

短い時間だけでも

誰かに愛されたいから

こうやって

知らない誰かと肌を重ねていくけれど

 

本当は

たった一人の誰かに愛されたいとも

思ったりしながら

 

汗と体液を交わられて

誰かもわからない人の欲を

体の奥で受け止める

 

 

 

 

 

 


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