私の読書雑感

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ネバーランド 恩田陸

久しぶりに青春物の本を読んだ。
井上ひさしの「青葉繁れる」以来のすがすがしい気持ちになった。
だから、舞台は勝手に東北地方と決め込んでしまった。
恩田陸さんは女なのに、話を聞き込んだだけでリアルにここまで
うまく描けるんだと妙に感心した。
描かれた世界は驚くほどびっくりする展開はないが、ひとりひとりを
きちんと表現されており、年配の人間なら懐かしい気分にさせるだろう。

今の高校にない世界だから、ネバーランドかもしれない。そして息子にも
このような経験をさせてやりたい気分である。
このような名残のある学校は、本当に少なくなっているのではと危惧している。

私も学生時代に寮生活したが、このような自由ではなくて 勝手きままな自由しか
味わうことはなかった。
はるか以前の青春を走馬灯のごとく思いながら、詠み終えた。

「ドミノ」よりも強く印象に残る作品でした。

部首のはなし 2 阿辻哲司

中公新書から 刊行された本である。
2 とあるので その1があるはずだが まだ読んでいない。
最近 漢字検定などが盛んなのでこの手の本もそこそこ売れているのではないか。

予想に反して なかなかおもしろい本である。
小学生の時代しか習っていなかっただけに、新鮮な知識を得た気分である。

色という漢字は 性交渉している男女の姿から形作ったらしい。
はるか昔だから、正常位ではなくバックのワンワンスタイルが元になっている。
色の上側の「ク」の部分が男で 下の「巴」がはっている女になると思われる。
道理で色という字は、スケベー系の意味が多いわけである。

また、中国語との関連も豊富に紹介されている
赤は 中国では 紅
青は 藍が 相当するので 赤い本とか青い本と手書きしても
すぐに理解してもらえないのは、私も経験したことがある。

普段何気なく使っている漢字も 4000年の歴史があり奥深いものであり
大事にしていきたいと思った。

白夜行  東野圭吾 を読んで

ドラマで連載している 白夜行を 文庫で 読んだ。
800ページを越える大作である。
ドラマはほとんどみていないが、sexの後の
「どうして(精液)出ないの」とかフェラの場面だけ見覚えがある。

東野圭吾の作品はすきだから 結構よんできたが
白夜行は 分厚いし それほど話題になっていなかったので
ドラマ化された後も特に気にしていなかった。
刺激的な画面につい買ってしまったのが本音。

東野圭吾の作品としては 評価が分かれるような気がする。
ラストは 作者がどこかで批判していた幕切れである。
犯人の独白こそないが、時間がきて死亡したというのは残念である。
他の作品に比べると 伏線が弱く感じる。
犯人のせりふや行動がみえないためと思う。
出だしに布施駅の描写が出てくるが、伏線がなんだったのか。
用心深い性格で過去を消したい人間が
果たして恋人を連れて布施に行くだろうか。 

とは言っても、これだけの長編を飽きさせずに読ませる技量は作者の力量が
やはりすごいと思う。
ドラマが今ひとつというのは 脚本もかなりの技量がないと
暗くて退屈な物語にしかみえないかもしれない。

天使の卵

村山由佳「天使の卵」が文庫版になっていたので購読した。
彼女の本は「青のフェルマータ」「bad kid」くらいしか読んでなくて
以前天使の階段が発行されたのを見たことがあり、その原型の
本に興味をもった。
物語は男の妄想でもここまで描けないなあと思うほど最後以外はうまくできすぎで
最後もこのようにしないと終わりがこないと予想される展開であった。
純愛小説と帯び打ってあるが、本能のままの生き様である。

二人の女性(姉妹)がでてくるが、姉よりも妹の方が冷静にみれば
魅力的と思われる。
主人公が年上の女にうつつを抜かしてしまい、目の前の幸せを捨てたと感じた小説である。
性描写も妙にリアルでなかなかのものだ。
こんな年上の女性に接すれば、うぶな高校生などいちころだろう。

ストーリーは比較的テンポよく、一気に読める好小説でした。

読書雑感 99.9%は仮説

初めてのブログです。
週に1冊の読書をしているので、読書雑感を書いていきます。

1冊目は
光文社新書の 竹内薫著「99.9%は仮説」。

プロローグの「飛行機はなぜ飛ぶのか?」は素人受けする話題でスタートしている。
この疑問は、ヤフーニュースでも取り上げられたことがあるのを覚えている。
内容も二番煎じに思えたので、特に新たな知見は得られなかったのが残念。

世の中はすべて仮説でできているのではなくて、科学がすべて仮説でできているのであり
世の中は仮説がなくても別に困らないはずだ。
ただ、不思議なことをうまく説明できれば、多くの人から賞賛される。
賞賛で生活もできる。占いと同じかもしれない。
よく当たる占い師は億万長者になれるように、誰も説明できないことを上手に説明すれば
悠悠自適の生活ができる。

ということで 期待して購読したが読み応えは少なかった。