2024年5月の鑑賞リスト。例によって「DVD以外で初見のみカウント」というマイルールを適用。作品の頭には年間の通し番号をつけ、( )内は月間累計を表す。さらに、個人評価を★1~5で表し、作品の公式ホームページや予告編にジャンプするURLをつけた。
75(11)『関心領域』★★★★★
壁の向こう側のアウシュビッツ強制収容所で起きていることをあえて描かないことで、無知や無関心がもたらす無邪気な悪が見事に表出している。
庭のプールで遊ぶ子どもたちと、それを見守る大人たちのシーンを捉えたポスターの上半分が漆黒なのは、本作の世界観の表れだと思う。
また、庭の小さな扉を開けて馬にまたがり強制収容所に出勤して行く夫を見送った後、妻が幼子を抱っこして花を愛でるシーンのインパクトは強烈。
真っ黒から始まり、途中で真っ赤になって、最後はまた真っ黒になるスクリーンも印象に残った。
自分自身や近しい人の身に具体的な迷惑が降りかからなければスルーしてしまいがちなのは普遍的なことだと思うので、多くの人の心にざわつきをもたらすのだろう。