『VORTEX ヴォルテックス』

2024年1月の鑑賞リスト。例によって「DVD以外で初見のみカウント」というマイルールを適用。作品の頭には年間の通し番号をつけ、（）内は月間累計を表す。さらに、個人評価を★1～5で表し、作品の公式ホームページや予告編にジャンプするURLをつけた。

9（09）『VORTEX ヴォルテックス』★★★★

2分割されたスクリーンに映し出される認知症の妻と心臓に爆弾を抱えた夫の日常を同時進行で観ながら、時折現れる1人息子はドラッグの売人で彼の妻も深刻な薬物中毒者という、とことん救いようのない物語に重苦しい気分になった。

後半、片方が真っ黒い画面のまま進行していくのも含めて凄い演出だし、人が老いて死ぬということを真っ直ぐに見つめていると思う。

老夫婦の骨壷がコインロッカーのような墓所に収められる時に、「ここが2人の新しい家なの？」と尋ねる孫に、1人息子が「違う。家は生きている人が住むところだ」と答えるシーンも印象に残った。