■ 仕事(2012年〜2016年)
・20代前半〜中盤にかけては、仕事が私の全てでした。悔しくて、辛くて、でももっと成長したい、できるようになりたい、周りに認められたい、という一心で、人間的な生活を全て捨てて(彼も放置して)1日18時間くらい働いてたし、働いてなくても、仕事の事を考えてたし、休みの日も仕事の参考にと思って、色々勉強する場に足を運んでいました。転機は、間違いなく、転職してから。ですね。
ある程度最初の仕事で、自分の思い通りになる環境、チームができて、満足してしまったんだと思います。正直、この会社にこのままずっといても、将来が見えてしまうし、もっとこうしたい、あれやりたいという欲が出てきてしまったのと、会社の業種上、できる事が限られていると悟っていたし、自分が満足できないなと、ずっと思っていたところに、部署異動の辞令が出て。今だ。と思いました。異動の辞令が出て、1週間後には退職届を出していました。
並行して、転職エージェントに登録して、動き始めようとしていたところだったので、急ピッチで転職活動をしました。若いし浅はかだなって振り返ってみても思うけど、何かを自分で決断して、それを行動にうつすという経験は、私にとってとても大切な経験になりました。本当に転職するという決断をできた自分を誇りに思います。
転職する際に、意識していたポイントは3つあって。一つは、強力なブランドを持っている会社。もう一つは、ベンチャー企業であること。最後のもう一つは、自分が今までやってきた事が生かせる会社である事。この3つを考えて、今の会社にご縁があって転職しました。
① 強力なブランドを持っている事
前職でずっと担当していたのは、日本最大級の漫画雑誌でした。心から愛していたし、今もこれからもずっとファンでい続けると思います。そして、このクライアントは私を大きく変えてくれた、と思っています。(実は担当するまで、一度も読んだ事はなかったんですけど)真剣に向き合っているうちに私の中で、その雑誌自体を、一雑誌ではなく、一種の「日本が代表する強力な"ブランド"」と捉えるようになり、そのブランドを育てて、広めて、そのブランドの力を強力なものにしていきたいな、と思う気持ちが強く強くなっていきました。
「自分の手でブランドを育ててみたい」でも私がいたポジションは、広告代理店の下請けチーム。ブランドの戦略やプロモーションの根底に入っていくことは、このポジションでは到底できないということが確信に変わったことが、転職のきっかけの一つだったなと、今思い返すと思います。
② ベンチャー企業である事
私は小さい頃から、人前に出て行く事がとても苦手で、できれば人の後ろに隠れていたいと思うタイプでした(今もその節は十二分にありますが)でも、学生時代を振り返ってみると、実は文化祭実行委員をずっとやっていたり、合唱祭、体育祭など、イベント事は全て、それをとりしきる立場にいたことを思い出しました。要は、アイドルみたいに表立っていたくはないけど、自分の力を発揮させたい、発言や意思を反映させたい、ということはずっと思って行動していたんだなと思います。最初の会社でも、ビシバシとイニシアチブをとって自分の意見を言うタイプではなかったけど、心の中では自分の意思は決まっていて、どこか自分の意見が絶対正しいと思っている節がありました。加えて、私に影響を与えてくれた人は皮肉にも私が大嫌いな先輩です。全然仕事ができないのに、プロデューサーとして偉そうにしている態度が許せなくて、「私の方が優秀なのに」とずーっとふつふつと怒りを覚えていました。
「自分の裁量で仕事ができる範囲が大きい会社で働きたい」そう思ったのも、②を転職の指標にした一つの要因でした。あとは、圧倒的成長を遂げるには、ベンチャーでしょ、という根拠ない仮説と、大企業とベンチャーの働き方の違いを見てみたかったこと、小さい会社で、経営者と近くで働くことで、会社を経営する為に、どんな「意思決定」「判断」をしているかを見てみたかったこともあります。この頃、実はいつか起業するかも、みたいなことも考えていました。
③ 自分がやってきたことが生かせる会社
今の会社でお世話になっている人が、ある取材を受けた記事で、「自分の強みの見つけ方」の方法として、こんなことを話していました。
「強み」=「好き」×「得意」×「周りからの評価」
私が新入社員で入社した会社は、世界一の規模の「広告制作会社」でした。配属されたのは「イベントプロモーション部」。何をやっていたかというと、クライアントがイベントをやりたいと言った時に、「イベントをやりたい理由・その会社の課題」のソリューションを「イベント」という形にしてあげる、という仕事をしていました。4年間、私の全てを注いで仕事をしてきた結果、「イベントって面白いなー!」というのが私の中で出た結論です。
イベントは生物だから、それまで事前にいくら想定や検証を重ねて準備してきたとしても、必ず現場で何か起こるんです。その場では相当テンパるし、胃はキリキリするし、空気は張り詰めてるんですけど、終わった時の達成感や、クライアントに良かったと言ってもらえること、来ていたお客さんの笑顔を見ると、それまでの苦労や辛さが全部吹っ飛びます、本当に。転職当時はまだ4年のキャリアだったので、自分が4年間してきて、大好きだと感じている「イベント」の仕事やスキルを求めている会社で働きたいと思ったことも、今考えると至極納得のいく考えだったなと思います。
ただし、今となってはもう少し噛み砕いて自分と向き合いたかったなと思うのは(今だからわかることなのかもしれません)、大好きな仕事、会社を辞めて、次に進もうと思った原因、特に仕事内容についてかなと。私が憤りを感じていたのは、結局、そのクライアントがなんでイベントをやりたいか、KPIは一体何か?クライアントの課題とアウトプットの設定が果たしてイベントが適切なのか、というところに踏み込めなかったポジションだった、ということです。いくら頑張ってイベントを作っても、例えば、WEB施策にもっとお金を配分した方がいいんじゃない?イベントやったって、イベントやることをプロモーションしなきゃ認知が広がらないし、そもそもどこを目指しているんだっけ?など、そもそものプロモーションの課題設定とアウトプットに疑問を感じることがあったからです。だから、「イベントを作る」知見と経験があること、をその当時の強みにして、次に自分がどう立ち振る舞っていくことが、自分の圧倒的成長につながるかを、きちんと言語化しておくべきだったなと思いました。
■ 仕事(2016年〜現在)
そんなこんなで、今の会社に転職しました。転職先はグローバル経済誌を発行している出版社でした。① ブランドを持っていること ② ベンチャー企業であること ③ 自分の強みが生かせること、この3つはクリアできていたのですが。ベンチャー企業の最初の洗礼を受けたのは、入社してすぐ。「営業部に配属です」と。(あれ?私ってイベント担当で入社したんじゃなかったっけ?)(まあ、とりあえずやってみるか)というのが最初に思ったこと。ベンチャー企業にありがちだそうですが、走り出した会社だと、大企業のように年間計画とか、企業戦略みたいなところが状況によってすぐに変わってしまうので、内定当初はイベント担当を求めていたけれど、状況が変わって今は営業に人が欲しいと、そんな風に後から聞きました。
転職した裏の目的として、「本当に自分の天職は何か?自分の強みって何だ?」という事を見極めることもあったので、今となっては色々な経験ができて良かったと思います。(そして私は営業に向いていないなーと。笑)
で、営業の仕事をしてわかった、私自身の事。
① まず、私本当に人と話すのは苦手なんです、特に日常会話。たわいもない話ってビジネスの場で一体何になるの?早く話を詰めたいんだけど。って思ってしまうこの性格。心が弱いので、グサグサと傷つけられ続けると、前へ行けない人間なんだなと思います。(弱い...)
② あとはプレゼンテーション能力が低いこと。自分のブランドの良さをどう言葉で伝えるか、私は圧倒的に言葉よりも"成果物として伝える能力"に長けている事を痛感しました。
③ 交渉下手。魅せ方下手、というやつです。正直、入社当初は本当にやばい会社に入ってしまったという認識があって、ブランドに不信感がありました。そんな中で、これはいい商品です、貴社のためになります、って嘘をついてるようで、本当に辛かったです。嘘をつけない、正直な人間だなと思ったのと、これまで、本当に自分が愛しているものと向き合っていたからこそ、やっぱり自分は自分の信じたもののためじゃないと動けない人間なんだな、と思いました。
最初の1年は、本当に自分がやりたいことだったのか、転職してよかったのか、とか後ろ向きなことをずっと考えている1年で、勿体無かったなと思いつつ、本当に良い経験になったなと思います。(嫌だと思うことの裏返しが自分のやりたい事だと思ったので)
2年目からは、晴れて会社唯一のイベント担当として、仕事をすることになったのですが、これまた本当に辛い1年でした。とにかく、イベントという言葉が聞こえてきたらすぐに招集され、クライアントへの企画検討から企画書への落とし込み、案件が決まったらプロデューサーとして一人でチームを招集し、全てのディレクションを行いました。営業としても振る舞ったし、イベント責任者としても振る舞って、かつ本来編集部が考えるコンテンツ部分も、見よう見まねで勝手に作ってみたり(それがそのまま形になってしまうのがベンチャーの凄いところ)そして重ねて辛かったのが、クライアント案件ではない、自社イベント案件。これが一番辛かった。なぜなら、社内のトップから全ての部署の人間を巻き込むことが成功への必須の鍵だったから。辛かったけど、すごい経験ができたなとも思っているのです。
なぜなら、(一応)グローバルで100年続いているビジネス誌の日本支社のイベント事業を1人で担っているという実感があったからです。一方で、転職してから、ずっと孤独感を感じていました。この会社に入って、フリーランスをはじめとした、所謂企業に所属しない働き方を見ることができて、改めて思ったのは、やっぱり私は一緒に同じ方向を向いて走っていける人と一緒に働きたい、それが自分にとって、一番パワーを発揮できる、ということがわかりました。仕事は一人でできることじゃない、ということも痛感したけど、ある程度自走できる力もついたような気がします。でも、だからこそ、チームが欲しいと思ったし、そのチームを最大限に成果を出せる役割を見つけ出せる力がついた気がしています。
イベントのプロデューサー的な仕事以外にも、実は達成できたこともあるような気がします。
・組織作り
・体制作り
・事業展開
・ブランド作り
今日はここまで、でまた更新します。