READING TIPS

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僕が読了した本に対して、感想を述べています。

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シューカツ! (文春文庫)

学部3年生だし、ちょうどインターンシップに行く機会があったので、読んでみた。

あらすじは、7人のマスコミ志望の学生が就活チームを結成し、全員就職を目標に掲げ、就活に取り組む過程を描いたもの。主に主人公の千晴の視点で物語は進行していき、就活を通して、仕事への考え方、人生観を学び成長していく過程も描かれている。

「受験勉強とは違って、シューカツに正解はない。どんなに頑張って準備をしても、十分ということはなかった。単純な学力だけでなく、コミュニケーション力とか人間力とか、自分ではどうにも判断の出来ない要素が無数にからんでくる。」
 受験勉強もどれだけ準備しても十分ということはないと思うのだが、シューカツは今までの人生でつちかってきた人間力、(価値観、性格)が問われるため、短期間で集中して、能力を引き上げるということが難しいと思う。
 また単純な学力と違う点としては、受験勉強には正解があり、その正解に基づいて、合否が決定するのだが、シューカツは、他人が自分を評価し、他人の承認を得ることで、内定という合格に結びつく点がある。他人の要求を満たすためにはどのような振る舞いをすべきなのかと忖度する必要がある。

 
 物語の中で登場する鷲田大学はおそらく早稲田大学のことだろう。理由はOBOGがたくさんいること、マンモス校であること、一般的に学力レベルが高いをみなされていて、学内にはさまざまな人間がいることである。


 この1冊は就活体験本のようなもので、シューカツがどんなものかがイメージできるだろう。
グループディスカッション、エントリーシート、インターンシップ、集団面接、個人面接、筆記試験、最終面接、OB訪問・・・。全てが現実味を帯びてきて、息苦しくなる。比呂氏のように引きこもりになってしまいたい気持ちも分かる気がする・・・。

 しかし、日本の社会で生きていくためには新卒というゴールドチケットを有効に使うしかない。