もう、ほんとこのシリーズどうでもいいや。
ジミー・ペイジがケチで使用料がバカ高いらしいレッド・ツェッペリン「移民の歌」の
格好良さを改めて認識するにするに至る。
チャカチャカと細かいカット割りで繋ぎ、
殆どがCGで描かれたフラットでつまらぬ画面でも楽曲の力でそれなりに盛り上がる。
関係ないけど、やっぱりジミー・ペイジはリフの天才だ。
「バッドマン」以降、現実と血続きの世界観でスーパーヒーローが活躍するというアメコミ映画。
その割には、ソーというキャラクター北欧神話に出てくる雷神であり、
時空で繋がるアスベスト(間違い)とかいう惑星の王子であり、ムキムキボディに鎧を着て、
トンカチ飛ばして戦うというリアリティのある世界観に馴染みようがない濃ゆすぎるキャラクター。
シリーズの最初から一応観てはいるけど、本当に詰まんない作品ばっかり。
頑固親父と跡取り息子の親子喧嘩に何かとかき回してくる血のつながらない弟との確執、
今作は更にはかつて汚れ仕事を請け負ってきた挙句、
牢屋に隔離された姉が返ってくるという全ての展開は家族内争議に過ぎない。
他人の身内の喧嘩ほど興味がない、くだらないものはない。
某家具会社の父と娘の経営権をめぐってのこじらせた争いを見ても明らかだろう。どうでもいいや。
そこらへんは製作者も自覚的なんだろう、シリーズンの中では異色なくらいにあっさりと作風を変え、
シリアスな身内の喧嘩から離れ、全面的に笑いの方へと寄っている。
延々と続くバカ兄弟の掛け合い漫才や左遷された宇宙の果てで出会った面子も
ほぼ「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」タッチを模したようなドタバタコメディ劇へと転じている。
この大胆な路線変更は異色であるけど、シリーズの今後を考えると吉と出るかは知らない。
というか全然興味ないんだけど。もう、どうでもいいし。
劇場へ足を運んだほぼケイト・ブランシェットの仕事を択ばない暴走への義理だけなのだ。
抜群の演技力を発揮しようがないやっつけ仕事のコスプレのジャンル映画だけど、
ケイト・ブランシェット力は薄まることなく、その神々しい存在感には無条件にひれ伏したい気分。
まあ女優として「ブルージャスミン」みたいな骨身を削る役柄ばっかりだと神経と身が持たないだろうし、
おバカ映画でキャリアと財布に緩急をつけるのも必要なんだろうな。
この最強の姉だけど、あっさりと殺すのは勿体ないのか、最後が曖昧にされており、
次回以降の当番はケイト様のギャラと意思次第か?


偏愛度合★★