文字通りの山師の話だけど、騙して、騙されるコンゲーム的な駆け引きは希薄。
実話がベースで、宣伝で「一晩で消えた170億ドルの金塊」と仰々しく煽られる割には肩すかし。
「全てが逆転するラスト10秒」もシャマラン作品じゃないんだから、誇大宣伝だな。
インドネシアで掘り当てた金脈を巡り銀行に投資家とハイエナどもが我先と漁るマネーゲーム。
金塊にロマンを求めていると、展開自体がどうにも生臭くって、
拝金主義な飽くことなき利益追求と山師同士の粘着質な駆け引きばかり。
結局マシュー・マコノヒーの禿げ頭とメタボ腹という肉体改造しか印象に残らない。
彼とエドガー・ラミレスとの男同士の濃ゆい関係性が主軸となる。
ここに感情移入できるかが、作品に伸るか反るかの分かれ目。
だってブライス・ダラス・ハワードには感情移入しようがないだろ。
どちらかというと、金塊の行方よりも、鑑賞して然程時間が経っていないにも関わらず、
ほとんど中身を覚えていないこの映画の消えた記憶の方が気になる。

偏愛度合★★★