宣伝によると

「ティッシュ会社の株価が上がるほどに観客は泣くに違いない」

らしいが、
泣くとか泣かない以前に、これほどまでに空虚なラブストーリーも珍しい。
正直言って見るべきものは艶やかな主演ふたりのみなのだ。
確かに実生活でもカップルである、現在最も旬な美男、美女ふたりには惚れ惚れする。
密かに交わす甘い視線はまるで古典映画のようだ。
あと付け加えるなら、
孤島の灯台という絶景と年を重ねて益々美しきレイチェル・ワイズくらい。
でも、それしかない。
それくらい空っぽな物語だ。
世界的なベストセラーかも知れないが、
陳腐な設定とご都合主義的な展開の通俗的で安っぽいラブロマンスに過ぎない。
「ブルーバレンタイン」という超ド級に後味が悪いけど、愛の現実感を生々しくもリアルに描いた
デレク・フランシス監督という期待もあったが、見事に肩透かしだった。
女性なら男前を、男性なら美女を心ゆくまで眺めるのも
映画の醍醐味のひとつではあるけど、それしかないのにも困ったものだ。
「愛」「感動」「涙」「胸が張り裂ける」「涙腺」「心の洗浄」と決まり文句がこれでもかと並ぶチラシだけど、
宣伝の様に本当に涙した人ってどのくらいいるのだろうか?
あゝ無情。

偏愛度合★★