やっぱりヤンキーは強い。
もちろんアメリカ映画だけど、アメリカ人の俗称であるヤンキーではなく、和製英語のヤンキー。
昔ながらのパッパラッパと改造バイク乗って、ソリコミやらパンチパーマのガチなヤンキーではなく、
郊外在住型マイルドヤンキー層が動けばある程度大きな経済効果が生じる。
年間100本、200本観ている映画マニアが屁理屈捏ねて気張っても、映画館は埋まらない。
でもヤンキー層が動けば映画館は満席となる。
実際連休中、午後の回だったが、満席でチケット販売中止となっていた。
何よりもシリーズが今作で8作目となる根強い人気。
常に共通しているのは、

◎イカした車とスピード感
◎迫力満点のアクションとレース
◎仲間(ファミリー)意識
◎家族愛
◎男性優位なマチズモ
◎ゴージャスでイイ女
◎割と一途な愛情
◎ホームタウンへの執着
◎わかりやすい敵味方の対立関係
◎最後は殴り合いでタイマン張る
◎シゴトの後のビール

という感じ。
シリーズの基本設定はこれらの組み合わせだけ。
世界に蔓延り、蔓延するこのようなヤンキー的価値観が大嫌いなのだ。
ヤンキーを馬鹿にしているとか、自分の方が偉いとかではなく、
相受け入れない正反対の場所に密かに生息する生物なのだ。それはそれで仕方がない。
世界を股にかけ物語もスケールアップというか、過剰さがエスカレートしているだけに、
制作費もどんどんかさばっているのに途切れることなく続々と新作継続しているのが人気の証明。
シリーズを追いうごとに
……というか正しくは個人的には何となく観た作品もあるけど真面目に追っていないけど、
車を増やし、爆薬をと銃弾を増やしい、破壊を増やしとひたすら物量作戦尽きる。
今作も意味不明にビルの上から実物の車がボカボカと雨あられのように降ってくるなど、
全然意図も意味もわからんけど、スケールだけは凄い。
前作で主演男優の中途事故死によって、何とかまとめて、シリーズ大団円で完了かと思えば、
劇中では彼は生きていることになっており、「今は彼を呼ぶわけにはいかない」とご都合主義な
台詞で物語には不参加という大胆不敵な強かさ。
三部作かなんだか、まだシリーズは続くようだが、いったいどう収集つける気なのか?
新登場の敵役はシャーリーズ・セロン。
昔からシゴトを選ばない彼女なので、「マッドマックス」に続けて楽しそうには演じているけど、
このキャラクターはちょと酷い。
凄腕ハッカーという設定で先の先を読む切れ者で長身でクールな装いはぴったりだけど、
その行動原理は仮面ライダーのショッカーか、サイボーグ009のゴーストかという世界征服擬きのという
リアリティ一切なしの誇大妄想さくれつのパラノイアな非道ぶり。
果たして次作にも継続して登場なのか?
今作は疑似ファミリーの家長ともういべきハゲ親父が裏切って、身内と敵対するという意外性だけど、
その訳の身も蓋もない陳腐さには唸らせる。
敵の敵は味方とばかりに、前作であれ程ファミリーを苦しめたジェイソン・ステーサムも
あっさりとファミリー側に協力するなど、その場限りの展開と見せ場優先の理解不可能さ。

余談だけどポイント無料鑑賞だから仕方がないけど、やはり近づかない方が無難な世界だ。
ヤンキーには近寄るなというのは代々我家に伝わる家訓なのだ(嘘)。

偏愛度合★★