全くもって謎の映画だ。
国家予算にも匹敵する莫大な資本を要する世界をマーケットにした商品が映画だ。
5W1Hではないが、いったい誰に向けた商品なのかが結局理解できない。

●いつ(When)何故21世紀の現在に万里の長城なのか?
●どこ(Where)太古の中国が舞台のようだが、現実なのかファンタジーなのか?
●誰(Who)誰をターゲットとして向けた商品なのか?
●何(What)一応の起承転結としての物語はあるが伝えたい隠させた主題は?
●何故(Why)何故白人主人公が物語視点として介在するのか?
●どのように(How)誰の意図、資本でどのように制作されたのか?

勿論ググってみれば大概は回答らしきものはあがってくるだろうけど、
観ていてこんなにも違和感が先行した作品は珍しい。
まあ、かつてハリウッドではジョン・ウェインが成吉思汗を演じたという
同様に5W1hのタガが外れた前例もあるので、ある意味伝統的な錯乱の一種なのかもしれない。
単に世界中の製品工場となり大国と化した中国とその溢れる資本力に媚びたという解釈もできるが、
その割にはアンディ・ラウなど名優を配しながらも、
結局マット・デイモンを主役に立て、ホワイトォシュドと揶揄されている。
彼は再度オファーを受け入れ演じたシリーズ最悪のジェイソン・ボーン役と言い、
オスカー受賞した「マンチェスター・バイ・ザ・シー」をわざわざ親友弟に譲るなど
余程ギャラだけが目当ての札束大好き症候群なのか?
また北京五輪開会式の総監督を務めた世界的名匠チャン・イーモウが演出を指揮しながらも、
「進撃の巨人」擬きの予算だけが莫大な中身はB級モンスターパニック映画だ。
確かにSFXを駆使して、迫力満点の画面を狙っているみたい。
でも脚本セオリー通りのご都合主義な展開と物語の為の内面のないペラペラで人物像。
展開重視で生身のキャラクターを一切描かない薄っぺらさにもうんざりする。
いったい誰にこの映画を届けたいたいのか?
本国アメリカでは大ゴケらしいが、中国市場では評価、観客動員したのだろうか?
調べるのも、考えるのも面倒くさい映画だ。

余談だけどヒロインのジン・ティエンって
「キングコング髑髏島の巨神」アジア人カメラマンの女優なのね。どっかで見たことあるはずだ。


偏愛度合★