いい加減に映画におけるご都合主義的な記憶消失設定は法令で禁止すべきではないだろうか?
50年以上生きているけど、周辺に記憶喪失なんて聞いたことも見たこともない。
弾丸を頭部をかすめ破片の一部が残っているが、そのことで記憶障害を生じた主人公という設定。
彼を看護し、徐々に再生する記憶を見守るのが若い美人女医といいう更にご都合設定。
記憶は失われていても身体は闘争を覚えており、襲い来る謎の敵を次々となぎ倒す。
そして最後には記憶も蘇り、問われての身となった女医の為に、単身アジトへと乗り込んでいく。
目の前に立ちはだかるかつての仲間を次々倒し、最後にはラスボス登場と予想通りの類型的展開。
このプロットはブルース・リーの頃から延々と繰り返されている基本中の基本なのだろう。
この条件を突っ込まずに認めてしまえば、それなりに迫力の生身アクション映画として楽しめる。
時として位置関係も人物認識すらわからなくハリウッド流の小刻みなカット割りと違い、
基本移動カメラの長回しで一連の動きをごまがさずに流れをとらえる手法は新鮮。
銃器使用はあっても、結局刃物や棍棒、蹴りに拳と肉弾戦へともつれ込む。
スタントマンなのか、役者なのか不明な恐るべき野郎どもが血反吐が出るまで戦い続ける。
当然見ている方も痛く、うううううゝと劇場の椅子で悶えそうになってしまう。


偏愛度合★★★