IMAX3Dの劇場へ駆けつけ、入場者特典としてもらったのがこのポスター。

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これの元ネタは勿論このポスター。

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2枚を見比べてt見ると構図からイラストのタッチ、タイトルの書体まで酷似している。
これがこの映画の全てなのだ。
「キングコング」という古典と言えば聞こえが良いが、
要は既に何度もリメイクされ使い古され、劣化したコンテンツを蘇らせる手法としては画期的だ。
ベトナム戦争とコングの邂逅なんて、誰も想像すらしたことが無かった。
無名の単なるオタク監督と脚本家の企画がすんなりと通るはずだ。
概要だけでも、始まる前から「おおおおおお!」とアガル。
「地獄の黙示録」からの影響は濃厚。
舞台はベトナム戦争終了直後、アメリカ軍ヘリコプター隊が未知の島の探査の護衛に当たる。
「ワルキューレの騎行」の代わりにブラックサバス「パラノイド」を大音量で流しながら、
編隊を組み島内部へと突入するのだ。これだけでもう堪らんわ。
ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督は
「日本の漫画・ゲーム・アニメを見て育ち、今の自分のDNAとなっている」と公言するオタク。
登場する巨大生物はありとあらゆる引用に満ちているらしい。
オタクの愛するモノを好むが、オタクは嫌いで、蓄積型の知識を持ちあわせていないため、
アレは「キングコング対ゴジラ」」に一瞬登場した生物のオマージュとか言われても全くわからない。
でもエヴァンゲリオン、宮崎駿などへの熱意は感じられる。それも途轍もない愛情だ。
基本物語は巨大生物、いや怪獣が島内で死闘を繰り広げるだけ。
そこにいる人間は単なる物語の視点としての傍観者に過ぎない。
怪獣の巨大さを強調するために、よく写真で物の大きさを比較するために煙草の箱なんかを
脇に並べることがあるが、それと同じ理屈。踏みつぶされ、齧られ、
放り投げられることでその強靭を強調する、煙草の箱かあるいは虫ケラのようなもんだ。
でも役者は意外にまっとうな演技派の名優たちを揃えているのも面白い。
誰も仕事を選ばないのか、出演料を盛られたのか、あるいは皆やっぱり怪獣映画が好きなのか?
町山智浩氏が字幕監修した、サミュエル・L・ジャクソンのお馴染みワードネタには笑った。
全編クライマックスと言うのも煽りではない。
2時間渡り、次々と登場する怪獣をコングが倒していく、勝ち抜き合戦だ。
これでもかとばかりに濃い油っこいものを次々と皿に盛られて、お腹いっぱいになる感じ。
隠されたテーマやメタファーなど余計な映画的な分析は不要だ。
元ネタと力技の一発芸な娯楽として存分に楽しめばよいのだ。


偏愛度合★★★★★