ガキによるパンク映画だ。
主人公のこっこは他人と横並びが嫌いで、
物事は「かっこええ」か、否かのみで判断するパンクに通じるロックな性分のガキ。
きっとビートジェネレーションなら、ヒップかスクェアかという基準なんだろうな。
「うっさい、ボケ」「かっこええわ」「きしょい」「せやな」と関西ネイティブの役者を
揃えただけはある関西弁の丁々発止のやりとりがまるでビートのポエトリーディングやラップ、
あるいはパンクスの空虚な叫びのようだ。快感だ。
これは関西人以外に為に標準語字幕版が必要なのでは?
ちなみに脚本の伊藤ちひろは関西出身なのだろうか?
それとも原作を頼りにダイアローグを組み立て、ネイティブに修正、翻訳させたのだろうか?
ドラマや映画で溢れるパチモン関西弁が多いだけに努力の跡がうかがえる。

但し、関西系のテレビ局全てが初めてタグを組んで制作したからというわけではないが、
こじんまりしたミディアムショットが多く、映画的な画面サイズや色彩や動きの醍醐味は薄い。

ちなみに芦田愛菜は憑依系の役者ではなく、メソッド系らしい。これも面白い事実だ。


偏愛度合★★★