母と娘の愛憎が入り混じった世界に母でも娘でもない部外者は立ち入れない。
そこは合理性や正論が通じない、閉じた世界。
俗っぽい好奇心いっぱいでも、自分ようなオッサンには二重の意味で近寄ってはいけない。
母が娘のヌードを撮るという実体験をさらに本人が映画化というのも業が深い。
ドニ・ラヴァン、イザベル・ユペールというフランス映画を追うものとしては見逃せないキャストはいつも通りのエキセントリックな役柄で安心していられる。
でもいっそ監督自らが母役を演じ、   
娘を使って映画で繰り返してくれればより面白いのにと勝手に妄想する。
娘を演じたアナマリア・ヴァルトロメイが撮影時、いくつなのかは知らないが、
あの瞬間にしか醸し出せない怪しい大人子供を好演。


偏愛度合★★★