女性ばかりを狙う連続殺人鬼、
おまけに殺した後は死体をバラして冷凍庫でジップロック保存、ステーキにして食べるという
極端な主人公の設定ながら、妙にまったりとした退屈な映画。
直接描写を避け、孤独な仕立て屋という主人公の表の生活に視点を置き、淡々と描写し続ける。
勿論確信犯だろうが、狙ってはずした演出。
シーンとシーンの長い溶暗の繋ぎにリズム感がなく、
いっこうに物語が動き出さずに正直睡魔との戦い。
別にレクター博士のような過剰な映画的なキャラ立ちや音楽、編集でのギミックを
求めているわけではないがこれは些かミニマムすぎる。
設定上感情移入しようがないキャラクターに日常を繰り返し描写し、
アートな雰囲気映画を気取っても困惑するだけ。
少なくともこのキャラ設定に「あえて」寄ってくる観客はそれは求めていない気がする。

偏愛度合★★