冒頭から唐突な暴力に釘付け。
映画的な見得切りやタメがなく、現実に突如くりひろげられる暴力には逆らえない。
オフィス北野が制作に絡んでいるのは全く知らなかったが、なるほどと府に落ちた。
これには首根っこ掴まれた。
勿論監督の確信犯だろうが映画的にも巧い演出だ。
後はエピソードが変わっても、最後まで連なる暴力に引っ張られた。
高度成長で急速に変化している国。
荒地だった場所にニョキニョキと高層ビルが建築され、砂埃や煤煙で見慣れた風景が一変する。
持つ者と持たざる者という格差がひろがる。
変化についていけない者が取り残され、安易な解決として暴力が醸し出される。
映画も暴力に始終する。
痛いけど傑作。
偏愛度数★★★★★(満点)