ああ、駄目だこりゃ。
 
「世界中が胸を熱くした奇跡のヒューマンストーリー」「普遍的な人間ドラマ」などという
フライヤーに飛び交うハイプに騙されたわけではない。
監督の「ノーマンズ・ランド」そして「美しき運命の傷痕」という傑作2本の繋がりで劇場へ。

内戦後の荒んだボスニアで鉄くずを集めて暮らしているロマの家族という社会的背景や
厳しい現実を否定するつもりはないが、映画としては楽しめない。

事実からインスパイアされ、何かしらの物語を映像で提示するのならともなく、
役者ではなく本人(当然素人)にそのまま演じさせ、
手持ちカメラで記録する再現映像には意味を見出せない。
社会に対してメッセージを放ちたいのは結構だが、
あくまでも興行上の商品である作品として鑑賞に耐えうるものであって欲しい。
ベルリン国際映画祭、アカデミー賞で入賞というのもよくわからない

個人的にはどうでもいい作品だ。

偏愛度数★