「裏切り」と言う言葉。
日頃なんとなく使っていて
深く考えたことなど無かった言葉。
ある日、こんな話を聞いた。
「裏切り」とは、そのまま、「裏を切る」こと。
では、この「裏」とは何なのか。
「ウラ」の反対は「オモテ」。
「オモテ」とは、「面」なのだ、と。
仮面を想像してほしい。
それは人の顔でも良い。
僕たちの、誰かに対する、作り笑いでも良い。
僕たちは日頃それを張り付けて生きている。
悪いことだなんて思わない。
人間関係を円滑にするために必要なこと。
現代社会においては、無くては生きていけないこと。
これが無くては、コミュ障と呼ばれ
疎外され、排斥され、標的にされる。
草食動物の体の模様が、草木のようであるのと同じ。
これは生きていくための、武器なのだ。
裏、とは、それらの裏側。
よく言われる、本当の自分、ありのままの自分、ってやつだ。
裏切りとは、それを切りつけること。
武装しない、柔らかいところを、切りつけられること。
そういう話を聞いたとき、ああ、そうなのか、と
すとんと腑に落ちた。
だから裏切られれば、こんなにも痛いのだ。
誰にも触れさせないはずの柔らかいところに、
刃を突き立てられることなのだ、と。
それほどに、凄まじい衝撃なのだ、と。
誰にでも触れることの敵わぬその柔らかい部分を
到達され、触れられてしまったら
それが恋であるのと同じように。