裁判所における認定

 

告発者の特定

 

 そもそも人定は必要なのかと言う議論がある。

 「松本氏は告発者を知っているのだから人定をしなくて良いだろ」その通りである。裁判外では。

 

 しかし、裁判では少しルールが違う。

 

 遺産分割を例にする。

 土地で揉めているのであればお互いにどの土地であるのか公的書類で確定させる。

 

原告「これで話しましょう」→被告「そうです、この土地ですよ。話しましょう」

 

 他にも亡くなった人、原告、被告の登場人物、さらに他に相続人がいない事も戸籍などの公的書類で確定させる。

 

 上記と同様の理由で名誉毀損の裁判でも告発者を確定させ裁判所で認めてもらわないといけない。

 

 それが無い場合の文春側の記事は松本側が思った通りの人であり、文春側が飲み会にいたとする女性だと思っていても

 よっぽど明確な理由がなければ裁判所からすれば取材メモも架空である可能性と見なされる可能性が高い。

 

 ちなみに特定なしで認められる場合の例を挙げておく。

 

 電車が事故を起こし警察や救急隊員が負傷者を何十人も見て聴取や治療したと証言したが、事件が怪しげな教団が関わっている噂され証人たちが怖がり匿名を望んだ場合。

 うまい例を挙げれていないがこの場合は「事故があったのは明確な事実だから被害者は実際に存在するであろう。」と裁判所もその教団が起こした事件に対して裁判では認められるだろうと言うニュアンスです。

 

 

 

 

ついでに証拠の数20個について

 前項の「他にも亡くなった人、原告、被告の登場人物、さらに他に相続人がいない事も戸籍などの公的書類で確定させる。」を例にすると、家系図や診断書、入院費、登場人物の戸籍と住民票、銀行口座の写しなどいれると20個は軽く超える。

 

 つまり証拠の数は決定的証拠を示しているわけでは無いのであまり参考にならない。

 

 過去の判例など何個でも提出できます。

 

 当然ですが週刊誌の記者、弁護士は知ってて真逆の事を言ってますのでご自身で判断される事をお勧めします。

証言者特定の要求

 

 

 第一回 3月28日の裁判で、喜田村洋一弁護士によると、松本氏は人定を特定して「A子さん、B子さんの氏名または芸名、住所、生年月日、携帯電話番号、LINEのアカウントまで明らかにしろと言っている」と言う。

 

 

 この内容はなかなかインパクトがある。

 流れは下記の通りである。

 

 

この裁判での流れ

文春 

「どこが違うのかがわからない。どこがおかしいのか示して欲しい」

松本

 まず記事化した女性2人の氏名などが分からないと認否を明らかにできない。認否を求めるのであればそれは示すべき

文春

「そんなアホなことあるかいな」と首をひねった。

 

 

本来の流れ

文春

 記事の成り立ちや事実と信じ掲載した経緯を示す。

松本

 ・どこが間違えているか示す

 ・どのように名誉毀損の要件を満たすかを示す

 ・証拠に対し異論を述べる

文春

 松本側の主張に対する反論と続く

 

 

 本来の流れを知っていると文春からの「まずどこが間違えているのかを示してよ」と言う主張は段階をいくつか飛び越えているので、会話上で松本側が告発者の特定を主張する事は自然な流れです。

 

 

表現の自由言論の自由

 メディアには政府やいかなる権力にも立ち入る事の出来ない「表現の自由」と「言論の自由」があり、それが法的に正しいのであれば松本氏の悪行だけでなく何でも堂々と示す事が出来る。

 

 今回の名誉毀損の裁判で文春側に立証責任があるのはこのルールに基づいている。

 

 文春側としても難しい話ではなく、普通に会社にまとめてある証人との会話や取材ノートを提出すれば問題ない。また、情報源となる告発者がその取材ノートに書かれている事が自分の発言と一致する事を示し権利を主張すればそれで良いです。

 

 手間になるのは告発者さんが証言する内容をまとめたものを弁護士さんに手伝って貰って作る陳述書の作成するくらいでしょう。

 

尾行調査について

 

 

 文春の告発者A子さんが探偵から尾行されていた!」の記事について知っている部分を解説。

 

 

 

1 尾行の是非

 

 尾行記事で大いに盛り上がっていますが、法律や倫理に反しなければの尾行調査は認められています。

 

 もともと事件の詳細を調査しないと何も主張できないので普通に認められています。

 

 ダメなのは「住居侵入、GPS調査、公共の場所以外での盗聴、盗撮」などです。

 

 今回の記事では違法な部分を示せていないので合法なものではあったと判断すべきだと考えています。

 

 個人的には文春はこの手のプロ集団なので、「違法とそうでない範囲」は明確に認識しています。

 

 今回は松本氏の違法な尾行を公の場で問題にするつもりであったが 示せなかったと考えるのが妥当かと感じました。

 

 松本氏の行動は一般人には驚きと恐怖を与えますが、知ってる人には失敗したのかな、くらいの話です。

 

 

 

 

2 証人の尾行はダメ?

 

 相手方の証人に対する尾行も認められている。

 松本側が反対尋問をする際に不正確、虚偽である可能性がある事を指摘する為に情報収集が必要となります。 

 これは互いに公正な裁判を行うために大切な事で原告、被告に認められた自衛の手段となります。

 

 

 

 

3 名前の特定

 

 この記事の大切な部分は告発者は松本側の想定していた人物であり、匿名の封筒によるタレコミにより指定された人物と相違ないと文春自ら認めたこと。

 

 部外者の我々には名前はわからないですが、正式に名前が明かされた事になります。

 

 

3-1 提訴が可能に

 

 これにより裁判が終わっても 別で松本氏がA子さんを訴える事が出来るようになりました。

 

 

 

3-2 記事の読み間違いに注意

 

 記事の「証言者が尾行されていた!」は文章は正しいが、記事になる前は松本側には数人いる告発者候補の一人であった。

 

 恐ろしい尾行をして証人を怖がらせて出廷妨害を行ったような構成であるが時系列を考えればニュアンスは全然違う。

 

 

 

 

3-3 名誉毀損裁判には関係がない

 

 裁判では文春も松本側も当然として知っていて同一の告発者との認識でも裁判所で説明しなければ告発者として認めてもらえないです。

 

 名誉毀損の裁判で文春は記事の正当性を示す時に裁判所にネタ元の説明をして認定を行わないと記事が架空のネタとなり、ほぼ敗訴が確定する。

 

 なので、わざわざ松本側から裁判所へ「文春がこんな記事書いているから告発者は〇〇さんです。認定して下さい」と示す事はないと思います。

 

 今後も裁判では文春側が「告発した女性は〇〇さんです。証拠はこれです。」と示さなければならないはずです。

 

 ・・・そうなると、何の為に文春は記事中でA子さんの名前を松本側へ大切な情報源を示したのだろうか。

 

 A子さんが裁判終わってもリスクだけが残る形になりますよね。

 

 私にはわからないのでどなたか教えてください。